PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

ミュージアム・コンサートN響メンバーによる室内楽
~ブラームス弦楽四重奏曲 全曲演奏Ⅱ

N響の元コンサートマスター山口裕之を中心とした弦楽四重奏。7年間のベートーヴェン全曲演奏を経て、2016年からブラームスとの対峙が始まったシリーズ2回目の公演です。

プログラム詳細

2017:04:09:11:00:00

■日時・会場
2017.4.9 [日] 11:00開演(10:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
ヴァイオリン:山口裕之宇根京子
ヴィオラ:飛澤浩人川﨑和憲*
チェロ:藤村俊介

■曲目
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 op.51-1 [試聴]
シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2 [試聴]
ブラームス:弦楽五重奏曲 第1番 ヘ長調 op.88 * [試聴]

[アンコール]
ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 op.111 より 第2楽章

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席自由
料金 ¥3,600
  コンサート当日、常設展をご覧いただけます。

 ■発売日
  一般発売:2016年12月8日(木)10:00

■曲目解説

ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番

ブラームスはかねてからベートーヴェンが残した弦楽四重奏曲群に大きな敬意を払い、なおかつ彼自身が完璧主義であったため、この曲種を手がけることをためらっていた。1873年、40歳のときに第2番とともに発表された本作には、少なくとも8年の歳月が費やされている。作曲中はヨーゼフ・ヨアヒムから多くの助言を受け、完成後は外科医で優れたアマチュア音楽家でもあったテオドール・ビルロートに献呈された。なお、2年後の1875年に第3番を発表して以降、ブラームスはこのジャンルから離れたため、弦楽四重奏曲は3曲しか残されなかった。第1楽章のアレグロでは、暗い情熱を秘めた主題が立体的に造形されている。第2楽章のロマンツェは崇高なまでの静けさと美しさを持つが、第3楽章のアレグレットは半音階的に下降する不安げな主題に支配される。第4楽章の冒頭では、第1楽章の主題の変形がユニゾンで現れる。これは各楽器によって幾度も反復され、情熱の坩堝に巻き込まれるかのように曲を閉じる。

シューマン:弦楽四重奏曲 第2番

1842年はシューマンの「室内楽の年」と言われ、同年6~7月には本作を含む3つの弦楽四重奏曲が相次いで書かれた。やはりこの時期に書かれ、傑作として名高い《ピアノ五重奏曲》や《ピアノ四重奏曲》と比べるとやや地味な印象を受けるが、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を十分に研究したうえで、シューマンならではの独創性が随所に盛り込まれている。シューマンが残した3曲の弦楽四重奏曲のなかで、この第2番は朗らかな魅力を持っている。第1楽章のアレグロはヴァイオリンによる伸びやかな第1主題に始まり、他の楽器がこれを模倣しつつ徐々に転調していく。第2楽章のアンダンテは変奏曲形式。すべてを包み込むような主題が提示され、各楽器は互いに寄り添いつつ4つの変奏を奏でる。第3楽章のスケルツォは全曲中唯一の短調で、複雑なリズムにより独特の効果をあげている。第4楽章のアレグロは屈託のない明るさに満ちており、終盤に向けて軽やかに駆け抜けていく。

ブラームス:弦楽五重奏曲 第1番

ブラームスは弦楽五重奏曲を2曲残した(1862年にチェロ2本編成の弦楽五重奏曲を書いている。しかし、これは本人にとって不出来だったようで、1864年に《ピアノ五重奏曲》に改作された)。さて、本作はブラームスが愛好していたヴィオラを2本用い、1882年6月頃、風光明媚な保養地バート・イシュルで完成させた。彼はこれを大変気に入り、1883年までに総譜・パート譜・作曲者自身によるピアノ4手用編曲が出版された。第1楽章は明るく親しみやすい主題で始まるが、展開部からはこのモチーフが対位法的に扱われ、重厚な響きを生み出す。第2楽章はロンド形式で、テンポ・拍子ともに柔軟に変化するが、これは緩徐楽章とスケルツォを合わせたものと考えていいだろう。重苦しいまでに情熱的な嬰ハ短調の主題とシチリアーノ風の軽快な主題が対置されている。第3楽章では、力強くたおやかな主題が躍動し、抑えられていた情熱が溢れ出るかのようにフィナーレをむかえる。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/10更新)

ページの先頭へ戻る