PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-

にほんのうたVII~東京オペラシンガーズ
~合唱で聴く美しい日本の歌

美しい情景、美しい言葉を歌い継ぐシリーズ7回目の公演。一緒に口ずさみたくなる日本の叙情歌、子どもの頃に聴いた童謡など、改めて日本の素晴らしさを誰もが感じる、極上のひととき。

プログラム詳細

2017:04:14:14:00:00

■日時・会場
2017.4.14 [金] 14:00開演(13:30開場)[約60分]
東京文化会館 小ホール

■出演
合唱:東京オペラシンガーズ
 ソプラノ:黒田なるみ、駒井ゆり子、谷原めぐみ、馬原裕子
 アルト:相田麻純、菅原章代、橋本恵子
 テノール:市川浩平*、渡邉公威、渡辺 大
 バス:寺本知生、成田 眞、藪内俊弥
指揮:宮松重紀
ピアノ:寺嶋陸也

* 当初発表の出演者より変更となりました。

■曲目
【ボブ・チルコット編曲 日本の歌による5つの合唱曲】
砂山:北原白秋・作詞/中山晋平・作曲(B.チルコットト・編曲) [試聴]
おぼろ月夜:高野辰之・作詞/岡野貞一・作曲(B.チルコット・編曲)
村祭(文部省唱歌):作詞不詳/南 能衛・作曲(B.チルコット・編曲)
紅葉:高野辰之・作詞/岡野貞一・作曲(B.チルコット・編曲) [試聴]
故郷:高野辰之・作詞/岡野貞一・作曲(B.チルコット・編曲) [試聴]

【童謡・唱歌の世界】
シャボン玉:野口雨情・作詞/中山晋平・作曲(寺嶋陸也・編曲) [試聴]
雨降りお月さん:野口雨情・作詞/中山晋平・作曲(寺嶋陸也・編曲)
あの町この町:野口雨情・作詞/中山晋平・作曲(寺嶋陸也・編曲)
赤い靴:野口雨情・作詞/本居長世・作曲(寺嶋陸也・編曲) [試聴]
七つの子:野口雨情・作詞/本居長世・作曲(飯沼信義・編曲)
お正月:東 くめ・作詞/滝 廉太郎・作曲(寺嶋陸也・編曲)
靴が鳴る:清水かつら・作詞/弘田龍太郎・作曲(寺嶋陸也・編曲)
歌を忘れたカナリヤ:西條八十・作詞/成田為三・作曲(寺嶋陸也・編曲)
背くらべ:海野 厚・作詞/中山晋平・作曲(寺嶋陸也・編曲)
うみ:林 柳波・作詞/井上武士・作曲(上田真樹・編曲)

【日本の歌 名曲集】
冬景色:作詞不詳/作曲不詳(若林千春・編曲)
冬の夜:作詞不詳/作曲不詳(若林千春・編曲)
月の砂漠:加藤まさを・作詞/佐々木すぐる・作曲(寺嶋陸也・編曲)
明日ハ晴レカナ、曇リカナ:武満 徹・作詞作曲
小さな空:武満 徹・作詞作曲

[アンコール]
翼:武満 徹・作詞
背くらべ:海野 厚・作詞/中山晋平・作曲(寺嶋陸也・編曲)

【試聴について】
[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


チケットについて

■チケット料金(税込)

席種 全席指定
料金 ¥3,100

 ■発売日
  一般発売:2016年11月27日(日)10:00

■曲目解説

【ボブ・チルコット編曲 日本の歌による5つの合唱曲】

「砂山」は、大正11年発表の歌。新潟市の童謡音楽会に招かれた北原白秋は、新潟を題材にした作詞を子どもたちに約束した。音楽会のあと、散歩した寄居浜の荒々しい海や砂丘の眺めに感動して、白秋はこの詞を書いた。「おぼろ月夜」は、大正3年初出の唱歌。おぼろ月のように霞む春宵の情景が、洗練された日本語で歌われる。作曲者の岡野貞一は鳥取県出身。国文学者・作詞家の高野辰之とのコンビで数多くの唱歌を残した。「村祭」は、明治45年初出。作詞者は不詳だが、唱歌には現在でも作者を同定できないものがある。擬音が多用された歌詞に、自ずと心は躍り、祭りの笛太鼓が聞こえてきそうである。「紅葉」は、明治44年初出。里山の紅葉の美しさを歌った、日本の秋を象徴する唱歌である。作詞者・高野辰之が碓氷峠あたりの紅葉に感を受けて詞を書いたという。「故郷」は、大正3年初出。自然豊かな故郷を想起させる、望郷の歌として忘れ難い作品である。

【童謡・唱歌の世界】

「シャボン玉」の作詞者、野口雨情は茨城県の出身。様々な苦労を経て作詞家として大成し、中山晋平や本居長世と組んで数々の名曲を残した。大正12年に発表されたこの童謡には、幼い娘を亡くした雨情の哀しみが込められていると言われている。「雨降りお月さん」は、大正14年に発表された童謡。雨情夫人の嫁入りの日は雨だったそうで、その情景が目に浮かぶような歌である。「あの町この町」は、大正14年初出の童謡。黄昏の夕刻は「逢魔が時」とも言う。家路につく子どもたちの不安な気持ちを表現したような、どこか怖い歌詞である。「赤い靴」は、大正10年の作品。女の子にはモデルがいて、その子は異国へは行けずに孤児院で幼い命を落とした。それを考えると歌詞の切なさが際立つ。「七つの子」も、雨情・長世のコンビによる大正10年発表の名曲。「七つの子」が何を指しているのかについては様々な説がある。「お正月」は、明治34年発表の幼稚園唱歌。正月を心待ちにする詞を書いたのは、幼稚園教育に尽力した東基吉の妻・くめである。「靴が鳴る」は、大正8年初出。素朴な日本の風景が甦るような、ふと口の端にのぼる詞が素晴らしい。「歌を忘れたカナリヤ」は、大正8年に「かなりや」というタイトルで、曲が付いた初めての童謡として「赤い鳥」に発表され、昭和22年にこのタイトルに改められた。西條八十が生活苦から詞作に没頭できない自分になぞらえて書いたという。「背くらべ」は、まず歌詞が大正8年に書かれ、大正12年に曲が付けられて2番の歌詞も加えられた。作詞者・海野厚の弟の目線で描かれており、柱の傷が一昨年なのは、昨年は海野が帰省できなかったからだという。また詞に富士山が登場するのは、海野が静岡出身だからである。「うみ」は、昭和16年初出の唱歌。太平洋戦争が始まる年の歌だが、そういう雰囲気を感じさせない雄大さがある。

【日本の歌 名曲集】

「冬景色」は、大正2年初出の唱歌。作詞・作曲ともに不詳だが、格調高い詞とメロディが澄み切った日本の冬を思い起こさせる。「冬の夜」は、明治45年初出の唱歌。今日では珍しくなった囲炉裏端の光景を歌っている。「月の砂漠」の加藤まさをの詞は、大正12年発表。異国情緒あふれる風景だが、加藤に海外経験はなく、モデルとなったのは千葉県御宿の砂浜で、現在そこには「月の砂漠記念館」が建っている。「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」は1985年に作曲され、石川セリの歌唱で90年代に世に出た。武満自作のカタカナまじりの朴訥な詞が心に染みわたる。「小さな空」は1962年にラジオドラマの主題歌として書かれ、92年出版の合唱曲集『うたⅠ』に収められた。詞も武満自身によるもので、ふとした情景が童心を呼びさます作品である。

主催:東京・春・音楽祭実行委員会


※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

(2017/04/15更新)

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