PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2010-

ミュージアム・コンサートアミーチ・カルテット

イ・ムジチのコンサートマスターを長く務めたイタリアのアゴスティーニ、NYを拠点とする川崎洋介、アメリカに生まれドイツで活躍するクライツ、東京クヮルテット初代チェリスト原田禎夫による絶品カルテット。

プログラム詳細

2010:03:27:18:00:00

Photo: Satoshi Aoyagi
■日時
2010/3/27(土) 18:00(17:15開場)

■会場
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
弦楽四重奏:アミーチ・カルテット
  第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ
  第2ヴァイオリン:川崎洋介
  ヴィオラ:ジェームズ・クライツ
  チェロ:原田禎夫

■曲目
ハイドン:
 弦楽四重奏曲第38番 変ホ長調 op.33-2《冗談》 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲第78番 変ロ長調 op.76-4《日の出》 speaker.gif[試聴]
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10 speaker.gif[試聴]
曲目解説はこちら

[アンコール]
ハイドン:弦楽四重奏第35番 へ短調 op.20-5より
      第2楽章 メヌエット、第3楽章 アダージョ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏家は、「東京・春・音楽祭」の出演者とは異なります。


出演者

弦楽四重奏:アミーチ・カルテット D'Amici String Quartet 2004年1月、音楽的にも人間的にも深い信頼関係にあるバックグラウンドも世代も違う4人のアーティストが結成したアミーチ・カルテットのドイツでのデビュー公演は大成功に終わった。メンバーそれぞれが持つ、様々なソロ、室内楽、オーケストラ、教育分野での世界各地における音楽・人生経験を礎にして、若いカルテットの持つような自主性、新鮮さ、喜びを持ち続けることをアミーチ・カルテットの活動の信条とする彼らは、年間の演奏回数を50回以下に制限している。アメリカ、イタリア、ドイツ、オランダなどで定期的に演奏会を行う。2008年アムステルダム・コンセルトへボウでのデビュー公演の大成功が記憶に 新しい。 日本では、2005年より毎年ツアーを行っている。水戸芸術館では、2008年より10年間に渡る“ハイドン弦楽四重奏曲全曲演奏プロジェクト”を実施。演奏会と共に若い世代の音楽家の為の室内楽ワークショップを開催し後進の指導に情熱を注いでいる。

アミーチ・カルテット公式サイト http://www.damiciquartet.com/

第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ Federico Agostini 日本でも高い人気を誇るイタリアの名合奏団・イ・ムジチのリーダーを1986年から6年間務めた。トリエステとヴェネツィアの音楽院、シエナのキジアーナ音楽院に学びアッカルドに師事。日本、スウェーデン、イタリアなどでマスタークラスを開催して後進の指導にあたるほか、室内楽奏者としても欧米の音楽祭に招聘 されて活躍。現在、アメリカ・インディアナ大学ブルーミントン校教授。

Photo:Karl Scheuring 

第1ヴァイオリン:フェデリコ・アゴスティーニ Federico Agostini

第2ヴァイオリン:川崎洋介 Yosuke Kawasaki ニューヨークで生まれ育ち、ジュリアード音楽院にて故ドロシー・ディレイに師事。サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団に定期的に出演する他、2008年より大阪センチュリー交響楽団のコンサートマスターに就任。現在は同楽団の首席客演コンサートマスター、カナダのオタワ・ナショナル・オーケストラのコンサートマスターを務める。ソリスト、室内楽奏者としても活躍し、ヴォルフラム・ケッセル(チェロ)とヴァディム・セレブリャー二(ピアノ) と組んだ「トリオ・プラス」など幅広い活動を展開。

Photo:Karl Scheuring 

第2ヴァイオリン:川崎洋介 Yosuke Kawasaki

ヴィオラ:ジェームズ・クライツ James Creitz イェール大学に学び、その後ブルーノ・ジュランナに師事。アマデウス、プロアルテ、ヴェイク・クワルテットなどに師事、共演。その他、ヨーヨー・マ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ、マリア・ジョアオ・ピリスらと共演。1983年から1993年までアカデミカ・カルテットのメンバーとして活躍。近年は20世紀のヴィオラ作品を集めた録音やブラームスやシューマンのヴィオラ作品の録音が高い評価を受けている。 2000年教育文化部門でユネスコ賞を受賞。現在、ドイツ・トロッシンゲン音楽大学教授。

Photo:Karl Scheuring 

ヴィオラ:ジェームズ・クライツ James Creitz

チェロ:原田禎夫 Sadao Harada 東京クヮルテットの創始者として30年間カルテットを率い、世界各地で活躍。1999年に退団後は、ソリスト、室内楽、オーケストラの分野で活躍。NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団などにソリストとして出演し、ピンカス・ズッカーマン、ジュリアード・カルテット、アルバン・べルク・カルテット、ジェシー・ノーマンらと共演。その他サイトウ・キネン・オーケストラに定期的に出演。水戸室内合奏団のメンバーも務める。後進の指導で高い評価を受け、日本各地のみならず、スイス室内楽アカデミー、北京室内楽講習会など世界各地で指導。現在、上野学園大学音楽部教授。

Photo:Karl Scheuring 

チェロ:原田禎夫 Sadao Harada

■曲目解説

ハイドン:弦楽四重奏曲第38番 変ホ長調 op.33-2《冗談》
104曲の交響曲を作ったフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)には、公称(つまり、偽作と言われているものも含めて) 83曲の弦楽四重奏曲がある。本曲は、1781年に作曲されたロシア四重奏曲op.33(全6曲)の2曲目。「ロシア四重奏曲」の名は、第2版出版の際に「ロシア大公に献呈」と記されたことによる。《冗談》というニックネームは、最終楽章のユーモラスな終わり方から来ている。

ハイドン:弦楽四重奏曲第78番 変ロ長調 op.76-4《日の出》
ヨーゼフ・エルデーディ伯爵の依頼で作曲され、同人に献呈されたエルデーディ四重奏曲op.76(全6曲)の4曲目。第1楽章の冒頭が、地平線から太陽が昇る情景を連想させるとして、《日の出》の呼び名が付いた。ハイドンの弦楽四重奏曲のなかでは演奏回数が多い作品である。

ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 op.10
クロード・ドビュッシー(1862-1918)の唯一の弦楽四重奏曲で、あの「牧神の午後への前奏曲」と同時期の作品である。機能和声や調性に縛られない自由な音楽を目指したドビュッシーは、この楽曲において「循環形式」や「旋法」を取り入れるなどしてその意図を実現し、のちの彼の音楽性を決定づける逸品となった。完成は1893年で、同じ年にイザイ四重奏団によって初演されたが、聴く人の多くはその大胆かつ斬新な響きに戸惑い、真価が認められるまでには時間を要した。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館

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