PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2010-

ミュージアム・コンサート姜 建華(二胡)~日本の春・中国の春

小澤征爾がその演奏を聴き感動、ボストン響、ベルリン・フィルのソリストとして招き世界で認められた二胡奏者。中国に伝わる古典楽曲、クラシックの名曲が心を震わせます。

プログラム詳細

2010:03:22:14:00:00

Photo: Satoshi Aoyagi
■日時
2010/3/22(月・休) 14:00(13:15開場)

■会場
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
二胡:姜 建華(ジャン・ジェンホワ)
揚琴:張 林(チャン・リン)

■曲目
宮城道雄:春の海
さくらさくら(日本古謡)
劉 天華:空山鳥語、独弦操
劉 維康:春到清江
鐘 義良:春詩
劉 文金:豫北抒事曲
劉 天華:光明行
彩雲追月(広東音楽)
華 彦鈞:二泉映月 speaker.gif[試聴]
朱 昌耀:江南春色
近藤郁夫:花筏
日本と中国の歌メドレー
モンティ:チャールダッシュ speaker.gif[試聴]
※当初発表の曲目より変更になりました。
曲目解説はこちら

[アンコール]
黄海懐:賽馬(競馬)
黎錦光:夜来香

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者及び編成とは異なります。


出演者

二胡:姜 建華(ジャン・ジェンホワ) Jiang Jian-hua 中国、上海に生まれる。10歳の時叔父から二胡を学び、13歳から海外活動を開始。ヨーロッパ、アフリカ、東南アジア等を舞台に演奏活動を行った。1974年北京中央音楽学院に入学、安如砺、蘭玉菘に師事。1986年副教授に任命される。指揮者小澤征爾が中国訪問の際、姜建華の演奏する「二泉映月」に感動し、1978年タングルウッド音楽祭、ボストン交響楽団ならびにサンフランシスコ交響楽団とのソリストに招き、多くの賞賛を得た。1986年11 月、サントリーホールのこけら落しに安生慶が作曲した二胡協奏曲「風影」を小澤征爾指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団と演奏。1989年小澤征爾指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演に出演、高度なテクニックと深い芸術性の両面で高い評価を得た。1990年カーネギーホール100周年記念コンサートにて、上海交響楽団と共演、1ヶ月に渡るアメリカ・ツアーを行った。1992年王子ホール・オープニング・コンサートに、1998年にはカザルスホールのオープニングのソロ・リサイタルに出演。2001年紀尾井ホールでの初めての自主リサイタルは大好評を得た。2002年9月、日中国交正常化30 周年を記念して上海大劇院で行われたリサイタルでは、上海交響楽団と中国の作曲家のコンチェルト作品やピアノのブルース・スタークとのジャズの世界など、二胡の新しい境地を披露し大成功をおさめた。
内外のオーケストラとの共演のほか、日本音楽集団、三味線の本條秀太郎、りんけんバンド、林英哲、葉加瀬太郎、加古隆のコンサート、黒田征太郎とのライブへの参加など多方面にわたり活躍を続けている。
レコーディングも活発で、「ラスト・エンペラー」テーマ曲をはじめ「二泉映月」を収めた『二胡の世界』、クラシック小品を集めた『ツィゴイネルワイゼン』、抒情歌を集めた『二胡の旅』(以上コロムビア)、7種類のニ胡を弾き分けた『大地の歌』、『二胡の四季』シリーズ(「春の香」、「夏の風」、「秋の音」、「冬の花」)『マニフィーク・シノワ』、『故郷熱情』、『Ocean Road-To China』ベスト・アルバム『東洋・西洋』、『グリーンスリーブス』(以上ビクター)をリリースしている。
2003年第17回日本ゴールドディスク大賞特別賞を受賞。高崎創造学園大学教授。
2007年4月から北京中央音楽学院の教授を務める。また、北京の国家大劇院2008新年音楽会に小澤征爾氏とともに出演、好評を博した。

二胡:姜 建華(ジャン・ジェンホワ) Jiang Jian-hua

揚琴:張 林(チャン・リン) Zhang Lin 中国河南省洛陽生まれ。中央音楽学院(大学)卒業後、中央歌舞団揚琴首席奏者を経て1989年に来日。東京学芸大学大学院で音楽美学を専攻。大学院在籍中より日本での演奏活動を開始。1993年ソニーミュージックより『中国の美音/揚琴』をリリースし、『ステレオマガジン誌』の年間最優秀録音特別賞を受賞。1998年、カナダに移住し北米大陸中心の活動にシフトする。2005年より、日本における活動を再開。現在は日本と北米大陸を拠点に演奏活動を展開している。
CD『弦外之音』(ALCD-2006)、『新疆風謡』(ALCD-2010)リリース中。

張 林公式サイトhttp://lasa-kikaku.cside.com/zhang-lin/

揚琴:張 林(チャン・リン) Zhang Lin

■曲目解説

宮城道雄:春の海
作曲家・箏曲家、宮城道雄(1894-1956)の代表作。視力を失う前に宮城が見ていた瀬戸内の海がモチーフになっている(宮城は8歳で失明)。本来は箏と尺八のための曲だが、宮城がフランスの女性ヴァイオリニスト、ルネ・シュメーと同曲を協奏したことで、世界中の音楽家に知られるようになった。

さくらさくら(日本古謡)
原曲は江戸末期、子供が箏の手ほどきを受ける際の練習曲として作られた。「さくら さくら」の歌詞は、メロディが流布した明治以降に付けられたもの。

劉 天華:空山鳥語、独弦操
劉天華(1895-1932)は、自身のヴァイオリンの演奏経験などをもとに、二胡に革新をもたらした人物。「空山鳥語」と「独弦操」はともに彼の代表作で、前者は山中に響きわたる鳥のさえずりを奏で、後者は二胡の内弦のみで演奏される、言うなれば二胡版「G線上のアリア」!

劉 維康:春到清江
「清江」とは、中国湖北省を流れる長江の支流。本曲「春到清江」では、春の清江がときに激しく、ときに悠々と流れていく情景が描かれている。

鐘 義良:春詩
テーマは題名の通り「春」で、長閑な雰囲気のなか始まった音楽が徐々にテンポアップし、終盤に訪れる、高度な技巧を要する速弾きが全体のクライマックスをかたち作っている。

劉 文金:豫北抒事曲
「豫北抒事曲」は、劉文金(1937-)が59年に作曲した二胡のための独奏曲。音楽は、豫北地方の昔の暮らしを回顧する場面から始まり、人々の営みが明るく豊かに発展していく様子を表現している。

劉 天華:光明行
劉天華が1931年に作曲した「光明行」は、二胡の曲としては珍しい「マーチ」。中国全土が混乱を呈す時節に作られたこともあって、人々を鼓舞するような曲調を持っている。

彩雲追月(広東音楽)
「彩雲追月」は、広東一帯で愛好されている器楽合奏曲。1943年、女優の高峰三枝子が日本語の詞をあて「南の花嫁さん」というタイトルで歌い、流行歌にもなった。

華 彦鈞:二泉映月
華彦鈞(1893-1950)は盲目の大衆音楽家。35歳で両眼を失明した彼は、街頭で二胡や琵琶を弾きながら大道芸人として生涯を送った。「二泉映月」とは、「天下第二泉」(無錫という街にある、茶を淹れるのに適した天下第二の名水が湧く泉)に由来し、その水面に映える月の姿を奏でている。

朱 昌耀:江南春色
朱昌耀(1956-)は、中国でも高い評価を得ている現役の二胡奏者。“歌う二胡”と呼ばれる彼の作品「江南春色」は、自身の故郷でもある江南の美しい春を描いている。

近藤郁夫:花筏
近藤郁夫は、国立音楽大学で打楽器を専攻し、岡田知之、佐藤英彦らに師事。その後、レコーディング、コンサート、音楽祭などに参加しながら、多くの作編曲を手がける。現在も打楽器奏者として、ジャンルにとらわれない演奏活動を展開中。

日本と中国の歌メドレー
おなじみの“あの曲”が、二胡特有の憂いを帯びた深い音色で奏でられる。

モンティ:チャールダッシュ
ヴィットーリオ・モンティ(1868-1922)はイタリアの作曲家で、「酒場風」という意味の「チャールダッシュ」はその代表作。もともとはマンドリンのための曲だが、ヴァイオリンやピアノ向けに編曲され、スタンダードナンバーとなった。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館

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