PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2010-

ミュージアム・コンサート吉野直子 ハープ・リサイタル

世界中のソリスト、指揮者から共演を望まれる吉野直子は、日本が誇るハープの国際的スター。巧みに考えられた選曲で、ハープの魅力を存分にお伝えします。

プログラム詳細

2010:03:21:14:00:00

Photo: Satoshi Aoyagi
■日時
2010/3/21(日) 14:00(13:15開場)

■会場
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
ハープ:吉野直子 

■曲目
パッヘルベル(マクドナルド/ウッド編):カノン speaker.gif[試聴]
グランジャニー:コロラド・トレイル op.28
モールディン:冬の鳥たち(ハープのための6つの前奏曲)より
徳山美奈子:オリエンタル・ガーデン
サルツェード:つむじ風
ラ・プレール:雨にぬれた庭
タイユフェール:ハープのためのソナタ speaker.gif[試聴]
トゥルニエ:森の中の泉のほとりにて speaker.gif[試聴]
アルベニス(マクドナルド/ウッド編)
 組曲《旅の思い出》op.71より入江のざわめき(マラゲーニャ) speaker.gif[試聴]
ルニエ:いたずら子鬼の踊り speaker.gif[試聴]
ドビュッシー(ラスキーヌ編):ロマンティックなワルツ speaker.gif[試聴]
ワトキンズ:小組曲 speaker.gif[試聴]
曲目解説はこちら

[アンコール]
トゥルニエ:朝に

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ハープ:吉野直子 Naoko Yoshino 吉野直子は今日、世界のハープ界で最も注目されている逸材である。
ロンドン生まれ。6歳よりロサンゼルスでスーザン・マクドナルド女史のもとでハープを学び始める。1981年に第1回ローマ国際ハープ・コンクール第2位入賞。1985年には第9回イスラエル国際ハープ・コンクールに参加者中最年少で優勝し、国際的キャリアの第一歩を踏み出した。
これまでにベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスなど、欧米の一流オーケストラおよび日本国内の主要なオーケストラと共演を重ね、共演した指揮者は、ニコラウス・アーノンクール、ズービン・メータ、ジュゼッペ・シノーポリ、ウォルフガング・サヴァリッシュ、ユーディ・メニューイン、小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、井上道義、外山雄三などがいる。また、イギリス室内管弦楽団、ベルリン・フィル・ヴィルトゥオーゾ、パイヤール室内管弦楽団、水戸室内管弦楽団、フランツ・リスト室内管弦楽団、ウィーン室内管弦楽団など、優れた室内管弦楽団にもソリストとして招かれ、リサイタルもニューヨーク、ウィーン、ロンドン、東京などで数多く行っている。特に1994年、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂での修復記念コンサートは大きな注目を集めた。また、ザルツブルク、ロッケンハウス、ルツェルン、グシュタード、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、マールボロ、モーストリー・モーツァルト・フェスティバルなどの世界の主要音楽祭にも度々招かれ、常に好評を博している。
室内楽の交流も幅広く、ヴァイオリンのギドン・クレーメル、ヴィオラのヴェロニカ・ハーゲン、今井信子、フルートのオーレル・ニコレ、ジャン・ピエール・ランパル、ウォルフガング・シュルツ、エマニュエル・パユ、工藤重典、佐久間由美子などの世界の優れたアーティストたちと定期的に共演。
レコーディング活動も活発で、これまでにテルデックに1枚(ニコラウス・アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとの協奏曲)、フィリップ スに4枚(ソロ2枚、ニコレ/今井信子との室内楽、ギドン・クレーメルとのデュオおよびソロ)、ソニー・クラシカルに5枚(ソロ、工藤重典とのデュオ、ベルリン・フィル・ヴィルトゥオーゾとの協奏曲)、ヴァージン・クラシックスに1枚(ユーディ・メニューイン指揮/イギリス室内管弦楽団との協奏曲)を録音。また、ハープの新作も数多く紹介してきており、世界初演したアミ・マヤーニ「ソナタ第2番」、外山雄三「ハープ協奏曲」、武満徹「そして、それが風であることを知った」、高橋悠冶「Insomnia」などは、その代表作品である。このうち、武満、高橋の作品をレコーディングしている。2001年3月に は細川俊夫「ハープ協奏曲」を世界初演。
近年では、ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ピエール・ブーレーズ指揮/グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラなどと共演したほか、2003年よりルツェルン音楽祭でクラウディオ・アバドの呼びかけによって世界トップ・クラスのソリストたちで結成されたルツェルン・フェスティヴァル・オーケストラにも参加。
1985年アリオン賞、1987年村松賞、1988年芸術祭賞、1989年モービル音楽賞奨励賞、1991年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、エイボン女性芸術賞をそれぞれ受賞している。国際基督教大学卒業。

吉野直子公式サイト http://www.naokoyoshino.com/

Photo:Akira Muto

ハープ:吉野直子 Naoko Yoshino

■曲目解説

パッヘルベル(マクドナルド/ウッド編):カノン
ヨハン・パッヘルベル(1653-1706)と言えば、「パッヘルベルのカノン」として有名な本曲《カノンとジーグ ニ長調》。彼は、南・中部ドイツを中心に活躍した作曲家兼オルガニストで、J.S.バッハにも大きな影響を与えた。

グランジャニー:コロラド・トレイル op.28
マルセル・グランジャニー(1891-1975)は、フランスで生まれ教育を受けた作曲家兼ハープ奏者。フランス時代にはラヴェルとも共演している。1926年にアメリカに渡り、没年まで教育と演奏活動を行った。

モールディン:冬の鳥たち(ハープのための6つの前奏曲)より
マイケル・モールディン(1947-)はアメリカ・テキサス州出身で、ニューメキシコ州に移住し、現在も活動を続けている音楽家。指揮、教育に力を注ぐ一方で、作曲家としても豊かな自然を描いた作品などを数多く発表している。

徳山美奈子:オリエンタル・ガーデン
徳山美奈子(1958-)は大阪府生まれ。東京藝術大学やベルリン芸術大学で学び、作曲を池内友次郎、矢代秋雄、尹伊桑(イサン・ユン)らに師事。1997年、ウィーン国際作曲コンクール第1位に輝き、受賞作がウィーン国立歌劇場バレエ団により舞台初演された。

サルツェード:つむじ風
カルロス・サルツェード(1885-1961)はパリ音楽院を卒業後、1909年にアメリカに渡り、トスカニーニ時代のメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席ハープ奏者を務めるなど活躍。生前、ヴィルトゥオーソとして知られたサルツェードは、ハープのための作品を作る一方で、奏法の開拓にも尽力した。

ラ・プレール:雨にぬれた庭
フランスの作曲家、ジャック・ド・ラ・プレール(1888-1969)はパリ音楽院で学び、ヴェルサイユのノートル・ダム聖堂でオルガニストを務め、1937年から母校の教授に就任した(58年まで)。ちなみに、戦後、同音楽院に留学した作曲家・矢代秋雄はラ・プレールに和声を学んでいる。

タイユフェール:ハープのためのソナタ
ジェルメーヌ・タイユフェール(1892-1983)はパリ音楽院で学んだ後、ケクラン、ラヴェルらに作曲を師事。軽妙かつ優雅な作風を特徴とし、いわゆる「フランス六人組」のなかでは紅一点。ストラヴィンスキー、サティ、ティボー、チャップリン、ピカソなど綺羅星の芸術家たちとの交友はつとに有名。

トゥルニエ:森の中の泉のほとりにて
マルセル・トゥルニエ(1879-1951)は、フランスのハープ奏者。作曲家としては、数十曲のハープ独奏曲やハープを含む室内楽を残し、教育者としては、長くパリ音楽院ハープ科の教授を務め、多くの奏者を輩出した。

アルベニス(マクドナルド/ウッド編):組曲《旅の思い出》op.71より「入江のざわめき(マラゲーニャ)」
イサーク・アルベニス(1860-1909)は、スペイン・カタロニア出身の作曲家で、優れたピアニストでもあった。《旅の思い出》の原曲は、7曲から成るピアノのための組曲。なかでも最も人気が高い「マラゲーニャ」は、南スペインの港町マラガに伝わる民謡である。

ルニエ:いたずら子鬼の踊り
アンリエット・ルニエ(1875-1956)は、フランスの女性ハープ奏者。作曲家としてハープのための作品を残す一方で、教育者としてはグランジャニー、サルツェード、マクドナルドなどを育てた。

ドビュッシー(ラスキーヌ編):ロマンティックなワルツ
原曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)が1890年に作曲したピアノ曲。ドビュッシーは同年に「バラード」「マズルカ」「ベルガマスク組曲」「2つのアラベスク」などを作っている。

ワトキンズ:小組曲
デイヴィッド・ワトキンズ(1939-)は英国生まれのハープ奏者。これまでにロイヤル・オペラ・ハウス(コヴェント・ガーデン)やロンドン・フィルハーモニック管弦楽団の首席ハープ奏者を務めた。本作「ハープのための小組曲」はワトキンズの代表作である。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館

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