PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2010-

N響メンバーによる弦楽四重奏

東京・春・音楽祭の定番にもなったN響メンバーによる弦楽四重奏。今回はベートーヴェン後期の作品をプログラムの核とします。聴力を失ってもなお書き続けた、この偉大な作曲家の創造性を感じます。

プログラム詳細

2010:03:24:18:30:00

Photo: Satoshi Aoyagi
■日時
2010/3/24(水) 18:30(18:00開場)

■会場
旧東京音楽学校奏楽堂

■出演者
N響メンバーによる弦楽四重奏
  第1ヴァイオリン:山口裕之
  第2ヴァイオリン:宇根京子
  ヴィオラ:飛澤浩人
  チェロ:藤村俊介

■曲目
ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 op.135 speaker.gif[試聴]
 大フーガ 変ロ長調 op.133 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130 speaker.gif[試聴]
曲目解説はこちら

[アンコール]
ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130より 第5楽章 カヴァティーナ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏家は、「東京・春・音楽祭」の出演者とは異なります。


出演者

第1ヴァイオリン:山口裕之 Hiroyuki Yamaguchi 故・鷲見三郎氏に師事。桐朋学園大学卒業。桐朋女子高等学校(共学)在学中の1969年に全国学生音楽コンクール高等学校の部全国第1位。1975年第 44回日本音楽コンクール第2位、1977年民音コンクール室内楽部門第2位(1位なし)。1975年6月在学中に東京フィルハーモニー交響楽団に入団、翌年卒業と同時にコンサートマスターに就任し1979年まで在籍。同年5月NHK交響楽団に入団、第2ヴァイオリン首席奏者を務め、1984年6月コンサートマスター就任。ゼルフィス弦楽四重奏団を結成、「カザルスホール・レジデント・クァルテット」として活躍。現在、NHK交響楽団第1 コンサートマスター、東京藝術大学、桐朋学園大学講師。

Photo:松嶋 惇 

第1ヴァイオリン:山口裕之 Hiroyuki Yamaguchi

第2ヴァイオリン:宇根京子 Kyoko Une 桐朋女子高音楽科、桐朋学園大学を経て、同大学研究科を修了後、スイス政府給費留学生として2002年国立チューリヒヴィンタートゥーア音楽大学ソリストディプロマコースに入学。2004年、最高位でディプロマを取得し卒業。皇居桃華楽堂での御前演奏をはじめ、多くのコンサートに出演。またスイス、オランダ、フランスでコンサートに出演。サイトウ・キネン・フェスティバル松本などの国内の音楽祭や、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトなどに参加するほか、札幌交響楽団客演首席奏者としても出演。2005 年、東京文化会館にて日本演奏連盟の主催によるソロ・コンサートを開く。2006年4月にNHK交響楽団に入団。中村静香、小林健次、ジョルジュ・パウク各氏に師事。

第2ヴァイオリン:宇根京子 Kyoko Une

ヴィオラ:飛澤浩人 Hiroto Tobisawa 桐朋女子高音楽科(共学)を経て同大学音楽学部卒業。卒業後ヴィオラ奏者の店村眞積氏の薦めによりヴィオラに転向。1990年、第101回神奈川県立音楽堂推薦演奏会に於て第3回新人賞受賞。同年よりサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして公演に参加。1992年、フランスの第4回モーリス・ヴュー国際ヴィオラコンクール第2位(1位なし)。1995年、文化庁在外研修員としてパリに留学。1997年、パリ・エコール・ノルマルに於てコンサート・ディプロムを満場一致で取得。L'Orchestre National des Pays de la Loire にヴィオラ第2ソリストとして入団。帰国後、2006年、NHK交響楽団に入団。これまでにヴィオラを店村眞積、ジェラール・コッセ両氏に師事。

ヴィオラ:飛澤浩人 Hiroto Tobisawa

チェロ:藤村俊介 Syunsuke Fujimura 1963年東京生まれ。1986年、桐朋学園大学卒業。この間、チェロを安田謙一郎氏に師事。日本演奏連盟賞受賞。第21回東京国際室内楽コンクール入選。第58回日本音楽コンクールチェロ部門第2位。桐朋学園オーケストラ、九州交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団などと共演。1989年、NHK交響楽団に入団。 1990年、東京文化会館にて初リサイタルを行う。1993年、アフィニス文化財団の研修員としてドイツに留学し、メロス・カルテットのペーター・ブック氏に師事。現在、NHK交響楽団フォア・シュピーラー、フェリス女学院大学講師。ソロや室内楽などでも活躍中。チェロ四重奏「ラ・クァルティーナ」メンバー。

Photo:松嶋 惇 

チェロ:藤村俊介 Syunsuke Fujimura

■曲目解説

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 op.135
死の半年ほど前に作曲された、ベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲。13〜15番のような長大な作品ではなく、シンプルな4楽章構成をとっており、いわゆる後期の弦楽四重奏曲のなかではいちばん規模が小さい。なんと言っても注目は自筆譜に記された“謎”の言葉で、終楽章の導入部に“Muss es sein?”(そうでなければならぬのか?)、それに続く第1主題には“Es muss sein!”(そうでなければならぬ!)とある。この記述をめぐっては、過去にさまざまな解釈が提出され、議論が交わされてきたが、いまだ決定的な結論は出ていない。

ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133
そもそもは、弦楽四重奏曲第13番の終楽章として作曲されたが、演奏者や出版社から「あまりにも長く難解」と酷評され、ベートーヴェン自ら撤収。独立した作品となったあとも、その評価は時代や受け手によって全く異なる。演奏時間は17、8分前後。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130
音楽愛好家のニコライ・ガリツィン伯爵の依頼で作曲。同じくガリツィン伯爵の依頼による弦楽四重奏曲第15番と並行して書かれたが、実際には15番よりあとに完成している。6楽章構成は、弦楽四重奏曲としては異例で、ベートーヴェンの同ジャンルでも最長の演奏時間を要する。大フーガの代わりに新たに書かれた最終楽章は、重々しい大フーガとは対照的に、明るく簡潔な曲調になっている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:財団法人台東区芸術文化財団

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