PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2010-

京都フランス音楽アカデミー 特別演奏会

1990年に日仏音楽交流事業として始まった「京都フランス音楽アカデミー」。豪華ソリストたちによるフレンチ・アンサンブルをお楽しみください。

プログラム詳細

2010:04:04:14:00:00

Photo: Rikimaru Hotta
■日時
2010/4/4(日)14:00(13:30開場)

■会場
東京文化会館 小ホール 

■出演
京都フランス音楽アカデミー 教授陣による特別アンサンブル
  ヴァイオリン:ジャン=ピエール・ヴァレーズ、
         アレッサンドロ・モッチア、森 悠子
  ヴィオラ:ブルーノ・パスキエ
  チェロ:フィリップ・ミュレール
  ピアノ:クリスチャン・イヴァルディ、パスカル・ロジェ
  ソプラノ:ペギー・ブーヴレ
  フルート:ピエール=イヴ・アルトー
京都フランス音楽アカデミー合奏団

■曲目・演奏 
平 義久:Filigrane Ⅰ
[P-Y.イヴ・アルトー(Fl) Ch.イヴァルディ(Pf)]
プーランク:チェロ・ソナタ speaker.gif[試聴]
[Ph.ミュレール(Vc) P.ロジェ(Pf)]
ショーソン:終わりなき歌 op.37 speaker.gif[試聴]
[P.ブーヴレ(Sop) J-P.ヴァレーズ、森 悠子(Vn) B.パスキエ(Va) Ph.ミュレール(Vc) Ch.イヴァルディ(Pf)]
ベルリオーズ(リスト編):イタリアのハロルド op.16より第1楽章 speaker.gif[試聴]
[B.パスキエ(Va) P.ロジェ(Pf)]
ゴーサン:オジーヴ
[P-Y.アルトー(Fl) Ch.イヴァルディ(Pf)]
サン=ジョルジュ:協奏交響曲 ト長調 op.13
[J-P.ヴァレーズ、A.モッチア(Vn) B.パスキエ(Va) Ph.ミュレール(Vc) 京都フランス音楽アカデミー合奏団]
曲目解説はこちら

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏家は、「東京・春・音楽祭」の出演者とは異なります。


出演者

ヴァイオリン:ジャン=ピエール・ヴァレーズ Jean-Pierre Wallez ジュネーヴ音楽院 教授
パリ国立高等音楽院でヴァイオリンと室内楽を修め、それぞれのクラスで1等賞を獲得。パガニーニ国際コンクール優勝、ジュネーヴ国際コンクール入賞、ロン=ティボー国際コンクール入賞の輝かしい成績を収める。ソロとしても活躍しながら、1968~1983年までフランス室内合奏団のリーダーを、1975 年~1977年までパリ管弦楽団のコンサートマスターを務める。また、1974年の創設から1990年までフランスのアルビ音楽祭の芸術監督を務めた。更に、ピエール・デルヴォー、セルジウ・チェリビダッケのもと指揮法を学び、1978年パリ室内管弦楽団を創設。音楽監督、指揮者として1986年まで活躍。オーケストラ・アンサンブル金沢の客演指揮なども務めた。現在、ジュネーヴ音楽院教授。

ヴァイオリン:ジャン=ピエール・ヴァレーズ Jean-Pierre Wallez

ヴァイオリン:アレッサンドロ・モッチア Alessandro Moccia シャンゼリゼ管弦楽団 首席ヴァイオリン
イタリア、地中海のサルデニア島に生まれる。ヴェルディ高等音楽院を卒業。サルバトーレ・アッカルド、パーヴェル・ヴェルニコフに師事。室内楽奏者として多くのアーティストとの共演を実現する。ターナー四重奏団を結成後、シャンゼリゼ管弦楽団の首席ヴァイオリンに選ばれる。1999年以来、定期的にケルン放送交響楽団のコンサートマスターとして招請されている。サント・ヨーロッパ音楽アカデミーにて古楽奏法のクラスを指導。

ヴァイオリン:アレッサンドロ・モッチア Alessandro Moccia

ヴァイオリン:森 悠子 Yuko Mori 長岡京室内アンサンブル 音楽監督
桐朋女子高等学校・桐朋学園大学を卒業。齋藤秀雄教授の助手を3年務めた後、チェコスロバキア、フランスに留学。マリア・ホロニョヴァ、ミシェル・オークレールに師事。1972年よりパイヤール室内管弦楽団などとともにヨーロッパ各国のフェスティバルに出演。1977~1988年までフランス国立放送新管弦楽団に在籍。1989~1996年リヨン国立高等音楽院助教授。1989年京都フランス音楽アカデミー創設、以来同アカデミーの音楽監督を務める。 1997年長岡京室内アンサンブルを設立、「若い演奏家の育成と実践の場」であり「常に世界に発信する演奏団体」であることを目的として活動。2001年 エクソンモービル音楽賞・奨励賞受賞。2002年京都府よりあけぼの賞受賞。1999~2004年までルーズヴェルト大学シカゴ芸術学院教授。2003年フランス政府より芸術文化勲章オフィシエ章受章。2009年4月より、くらしき作陽大学音楽学部特任教授に就任。

ヴァイオリン:森 悠子 Yuko Mori

ヴィオラ:ブルーノ・パスキエ Bruno Pasquier パリ国立高等音楽院 教授
1943年生まれ。1961年にパリ国立高等音楽院で1等賞を獲得。1965年ミュンヘンの弦楽四重奏国際コンクールで優勝。1965年から1985年まで、パリ・オペラ座管弦楽団の主席ヴィオラ奏者を務める。1985年には、フランス国立管弦楽団の首席ヴィオラ奏者に任命され、1990年まで務める。豊かで美しく力強い音色によって、世界で最も才能あるヴィオラの奏者のひとりと評せられている。ヴァイオリンのレジス・パスキエ(弟)とチェロのロラン・ピ ドゥーとともに弦楽三重奏団を結成。レコード録音では、1976年にディスク大賞、1977年にフランス・ディスク・アカデミー大賞など多数の賞を受賞。 様々な制作にも携わり、2008年、ラジオ・フランスにて映画「青いパパイヤの香り」や「夏至」の音楽を担当したトン=ツァ・ティエのヴィオラ・コンチェルトを演奏。数々の国際アカデミーでも教えており、1972年よりパリ国立高等音楽院にて教鞭をとる。レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ章、芸術文化勲章オフィシエ章受章。

ヴィオラ:ブルーノ・パスキエ Bruno Pasquier

チェロ:フィリップ・ミュレール Philippe Muller パリ国立高等音楽院 教授
1946年 生まれ。パリ国立高等音楽院でアンドレ・ナヴァラに師事し、1967年チェロと室内楽で1等賞を獲得したのち、ポール・トルトリエ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチといった偉大な演奏家たちの下で研鑚を積む。ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)、ジャック・ルヴィエ(ピアノ)と共に 1970年に結成した室内楽トリオは世界的に高い評価を得ている。現代音楽にも深い関心を抱き、アンサンブル・アンテルコンタンポランに参加。また、ヴィヴァルディ、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスから、フォーレ、ラヴェル、マルティヌーにいたるまで、多くの作曲家の作品を録音している。1979 年より恩師アンドレ・ナヴァラの後を継いで、パリ国立高等音楽院チェロ科の教授を務め、これまで数多くの優秀な音楽家を輩出してきた。今回、教授陣のなかで最多の19回目の参加となる。

チェロ:フィリップ・ミュレール Philippe Muller

ピアノ:クリスチャン・イヴァルディ Christian Ivardi パリ・エコール・ノルマル音楽院 教育顧問
1938年生まれ。パリ国立高等音楽院で5つの1等賞を得た後、ひたすらピアノ室内楽に情熱を捧げ、1982年にシルヴィー・ガゾー、ジェラール・コーセ、アラン・ムニエと共にイヴァルディ・カルテットを結成、室内楽の主要レパートリーを全てこなしている。レジーヌ・クレスパン、ティト・ゴビ、ボリス・クリストフ、ユーリ・バシュメット、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ等、名だたる演奏家たちが競って共演を求める、優れたピアニストである。フランス・ディスク大賞、シャルル・クロ・アカデミー大賞等、多数の賞を受賞。1969年にパリ国立高等音楽院の初見の教授に任命され、1986年からは同音楽院の室内楽の教授を務めた。1994年よりリヨン・ミュジカド芸術監督。現在、パリ・エコール・ノルマル音楽院にて教育顧問を、京都フランス音楽アカデミーでは芸術顧問を務める。

ピアノ:クリスチャン・イヴァルディ Christian Ivardi

ピアノ:パスカル・ロジェ Pascal Rogé ピアニスト
フランスのピアノ音楽のもっとも代表的なピアノ演奏家。彼が演奏するプーランク、サティ、フォーレ、サンサーンス、ラヴェルの音楽は、その優雅さ、美しさ、繊細なフレージングが特徴。17歳でデッカ・レコードと専属契約を結びレコーディングを行う。2度のグラモフォン賞、ラヴェル、サンサーンスの協奏曲 でディスク大賞とエディソン賞など数々の名誉ある賞を受賞。その他、特筆すべきはロンドン交響楽団と共演したレコーディング、シャルル・デュトワ指揮のも とに行ったプーランクのレコーディングがある。また、最近行ったベルトラン・ドゥ・ビリー指揮/ウィーン放送交響楽団とのレコーディングは大きな反響を呼んでいる。世界の有名なホールのほとんどで演奏会を行い、これまでフィラデルフィア管弦楽団、モントリオール交響楽団、パリ管弦楽団、フランス国立放送管弦楽団、NHK交響楽団、ウィーン交響楽団、ロンドンの管弦楽団などと共演。また、トスカーナ地方で開催される夏のフェスティバル”Incontri in Terra di Siena” の音楽監督を務める。

パスカル・ロジェ公式サイト http://www.pascalroge.com/

ピアノ:パスカル・ロジェ Pascal Rogé

ソプラノ:ペギー・ブーヴレ Peggy Bouveret パリ国立高等音楽院およびパリ・エコール・ノルマル音楽院 教授
ヨーロッパ、特にロンドンのギルドホール音楽院やコヴェント・ガーデンオペラセンターにて声楽に磨きをかける。その国際的活動は、ニューヨークのメトロポリタン・オペラでプッチーニ《ラ・ボエーム》のミミ役から始まり、数々のオペラの大舞台へと続く。彼女は、多くのソプラノ役を演じるだけでなく、現代音楽のリサイタルやコンサートにも数多く出演している。ジェームズ・レヴァイン、マニュエル・ロザンタール、シルヴァン・カンブルランなどの大指揮者の下で演じ、ミュージカルからコンサート、リサイタルからオペラと、さまざまな活動を行っているペギー・ブーヴレは、完全なアーティストと言える。舞台活動と平行して、パリ国立高等音楽院およびパリ・エコール・ノルマル音楽院で教鞭を取っている。その指導内容は、フランス歌曲に限らず、イタリア歌曲からドイツ歌曲まで幅広い。

ソプラノ:ペギー・ブーヴレ Peggy Bouveret

フルート:ピエール=イヴ・アルトー Pierre-Yves Artaud パリ国立高等音楽院およびパリ・エコール・ノルマル音楽院 教授
1946年パリ生まれ。パリ国立高等音楽院をフルートと室内楽で1等賞を得て卒業。フルート族すべての楽器をこなし、それは最小のピコレットから、彼のために開発されたオクトバス・フルート、ダブルベース・フルートにまで及ぶ。古典から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、ピエール・ブーレーズ、ペーター・エトヴェシュ、ジャン=クロード・カザドシュ指揮のオーケストラとの共演も多い。1965年には、Arcadie フルートカルテットを、1985年にはフランスフルートオーケストラを結成。長年、2e2mアンサンブルのソリストを、1994年から1997年までは同アンサンブルにて音楽監督を務める。1981年から1986年までピエール・ブーレーズよりIRCAMの器楽研究アトリエのディレクターに任命される。 SACEM(フランス著作権協会)今日のフランス音楽演奏大賞、シャルル・クロ賞、フランス・ディスク・アカデミー大賞、日本ディスク大賞、SACEM教育実践最優秀賞など、数々の賞を受賞。現在、パリ国立高等音楽院及びパリ・エコール・ノルマル音楽院教授。

ピエール=イヴ・アルトー公式サイト http://www.pyartaud.com/

フルート:ピエール=イヴ・アルトー Pierre-Yves Artaud

■曲目解説

平 義久:Filigrane Ⅰ
平義久(1937-2005)は、東京藝術大学を経て、フランスに渡りパリ国立高等音楽院で研鑽を積んだのち、そのまま同地に留まって作曲活動を続けた。「Filigrane Ⅰ」は、1994年に書かれたフルートとピアノのための音楽。平は1970年の「Hiérophonie II」をはじめ、フルートのための、もしくはフルートを含む楽曲を数多く作曲しており、今回の演奏者であるピエール=イヴ・アルトーにも多くの作品が捧げられている。

プーランク:チェロ・ソナタ
フランシス・プーランク(1899-1963)は、「フランス六人組」の一人に数えられる作曲家。この「チェロ・ソナタ」は、平明で簡素な彼の音楽語法がようやく認められるようになった戦後に発表された。プーランクは弦楽器の独奏曲が苦手だと自ら認めていたとのことだが、本作はチェロの音色を十二分に引き出そうとする意欲的な作品に仕上がっている。

ショーソン:終わりなき歌 op.37
エルネスト・ショーソン(1855-99)は、フランクやワーグナーから大きな影響を受けた作曲家。「終わりなき歌」は、ショーソンが自転車事故で急死する前年の1898年に作曲され、彼が完成させた最後の作品となった。ソプラノ独唱をピアノと弦楽四重奏がサポートし、曲中では去って行った恋人への想いが切々と歌われる。

ベルリオーズ(リスト編):《イタリアのハロルド》op.16より第1楽章
《イタリアのハロルド》は、18世紀後半〜19世紀前半に活躍したヴァイオリンのヴィルトゥオーソ、パガニーニがストラディバリウスのヴィオラを入手した際、その御眼鏡に適うヴィオラ音楽がなかったため、エクトル・ベルリオーズ(1803-69)に作曲を依頼した作品。よって原曲は、“ヴィオラ独奏と管弦楽のための交響曲”または“ヴィオラ独奏付きの交響曲”となっている。第1楽章で独奏ヴィオラによって「ハロルドの主題」が奏でられるが、意外にもパガニーニには不評であったという。

ゴーサン:オジーヴ
アラン・ゴーサン(1943~)は、パリ国立高等音楽院でメシアンに作曲を師事し、多くの作曲賞を受賞した。「オジーヴ」は、フルートとピアノのための音楽。作曲者自身はこの曲において、東洋と西洋の音楽的風土の違いを橋渡ししようと試み、特にフルートの扱いに関しては日本の伝統楽器である「尺八」からヒントを得た、と語っている。

サン=ジョルジュ:協奏交響曲 ト長調 op.13
フランス人の父と黒人の母との間に生まれ、「モーツァルト・ノワール(黒いモーツァルト)」と呼ばれたサン=ジョルジュ(1745-99)は、生前、ヴァイオリニストとして活躍したこともあって、その作品は弦楽器を中心としたものが多い。「協奏交響曲」とは18世紀後半、とりわけパリで好まれた、2つ以上の独奏楽器と管弦楽のための交響曲。この作品13では、2本のヴァイオリンが登場する。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 制作協力:京都フランス音楽アカデミー実行委員会 
協力:東京日仏学院/ミヤザワフルート製造株式会社

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