東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-
ブラームスの室内楽
~川本嘉子、向山佳絵子、ミヒャエル・ゲース
ヴィオラの川本嘉子が中心となり2014年から始めたブラームスの室内楽シリーズ。今回はチェロ・ソナタ2曲をチェロとヴィオラの両方でお届けします。晩年の秀作のトリオとともに、深遠なブラームスの音楽世界をご堪能ください。
プログラム詳細
2016:04:02:14:00:00
2016.4.2 [土] 14:00開演(13:30開場)
上野学園 石橋メモリアルホール
■出演
ヴィオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ミヒャエル・ゲース
■曲目
ブラームス:
チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38(ヴィオラ版)

チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 op.99

第2番 間奏曲 イ長調 (《6つの小品》 op.118 より)

クラリネット三重奏曲 イ短調 op.114(ヴィオラ版)

[アンコール]
ブラームス:
クラリネット三重奏曲 イ短調 op.114(ヴィオラ版)より III. Andante grazioso
【試聴について】

チケットについて
■チケット料金(税込)
席種 | S席 | A席 | U-25※ |
---|---|---|---|
料金 | ¥5,700 | ¥4,100 | ¥1,500 |
残席状況 | 本公演は終了いたしました。 |
■一般発売日
2015年11月23日(月・祝)10:00
※ U-25チケットは、2016年2月12日(金)12:00発売開始
(公式サイトのみで取扱)


ブラームスの作品
チェロ・ソナタ 第1番
本作は1865年の夏、ブラームスが32歳の時に完成した。本来は全4楽章の作品として着想されたが、緩徐楽章が削除されたため、最終的には3楽章構成となった。最初の2つの楽章は、荒涼とした風景の道行きのように、チェロがピアノよりも低い音域で歌い、暗いロマンティシズムを湛えた音楽となっている。また、自由なフーガ形式による終楽章の主題は、J.S.バッハの《フーガの技法》から「コントラプンクトゥス 第13番」が引用されている。
チェロ・ソナタ 第2番
第1番から実に21年もの歳月を経て、ブラームスはチェロ・ソナタ第2番を作曲した。全体は緩徐楽章を持つ4楽章構成。暗い情熱を帯びた第1番と比べると、明るい力強さが感じられ、特にチェロのパートは高音域を自在に用いたロマンティックな旋律を響かせる。ブラームスは避暑の折に作品を完成させることが多く、この作品も1886年の夏、スイスの避暑地トゥーン湖畔で書かれた。前年には交響曲第4番が完成しており、円熟の境地に入らんとするブラームスを堪能できる。
《6つの小品》 より 第2番 間奏曲
ブラームスは、雄大な曲想のピアノ・ソナタや変奏曲を書き終えたのち、5つの小品集を手がけている。1893年の夏、60歳の時に作られた《6つの小品》もそのひとつであり、とりわけ静謐な美しさを備えた「第2番 間奏曲」は、単独で演奏されることも多い。「A - B - A」の3つの部分からなり、「A」では同型のモチーフが転回されつつ、多彩な和声進行をともなって現れる。「B」は短調でカノンになっており、揺れ動く心情がメランコリックに表現される。そして再び「A」に戻り、馥郁たる余韻を残しながら静かに消えていく。
クラリネット三重奏曲(ヴィオラ版)
晩年のブラームスは、1890年夏頃に完成した《弦楽五重奏曲 第2番》を最後に、作曲家としての引退を決意していたが、クラリネットの名手リヒャルト・ミュールフェルトの演奏に触発されて創作意欲を取り戻し、クラリネット室内楽の名品を立て続けに発表した。本作はそのなかでもっとも早く作られたもので、クラリネット・パートは作曲家自身の指示によりヴィオラでも奏される。第1楽章ではチェロによる愁いに満ちた第1主題が現れ、それがヴィオラに受け継がれると、緩急を含みながらドラマティックに展開していく。第2楽章は自由なロンド形式で、各楽器が語り合うかのように温もりのある旋律が紡がれる。第3楽章はレントラー風の間奏曲で、第1トリオではヴィオラとチェロが優しげに歌い、第2トリオではヴィオラが8分音符で縫うように動く。第4楽章は短いながらも充実したフィナーレで、変則的なリズムが静と動のコントラストを際立たせている。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 特別協力:上野学園 石橋メモリアルホール
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。
(2016/04/01更新)