PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2009-

ミュージアム・コンサート 東博でバッハ vol.3 渡辺玲子(ヴァイオリン)

超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性が、世界の巨匠からも高く評され続けている渡辺玲子が魅せる、バッハの世界。注目の弦楽三重奏による「ゴルトベルク変奏曲」では、彼女の知的な演奏が存分に活かされます。

プログラム詳細

2009:03:28:14:00:00

Photo:大窪道治
■日時  2009/3/28(土) 14:00開演(13:15開場)

■会場  東京国立博物館 平成館ラウンジ

■出演  ヴァイオリン:渡辺玲子
     ヴィオラ:安藤裕子
     チェロ:横坂 源   

■曲目  J.S.バッハ:
      無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番
       二短調 BWV1004より「シャコンヌ」
      無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番
       ホ長調 BWV1006より
         1.プレリュード    3.ガヴォットとロンド
         4.メヌエットⅠ/Ⅱ   6.ジーク
      ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988 (弦楽三重奏編曲版)
       *出演者の希望により、当初発表の曲目より変更になりました。

出演者

ヴァイオリン:渡辺玲子 Reiko Watanabe 渡辺玲子は、超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性とその広いレパートリーで日本のみならず世界のヴァイオリン界をリードする逸材である。 東京生まれ。3歳よりヴァイオリンを始め、松井宏中、鈴木共子、田中千香士、堀正文、大谷康子、海野義雄の各氏に師事。第50回日本音楽コンクールにおいて最年少(15歳)優勝。同時に第1回増沢賞(全部門を合わせて最も優れたものに与えられる賞)を受賞。その後、「若い芽のコンサート」でNHK交響楽団と共演して衝撃的デビューを飾った。1985年からは、ニューヨークのジュリアード音楽院に全額奨学生として留学し、ヴァイオリンをJ.フックス、室内楽をJ.ラタイナー、F.ガリミア、S.ローズの各氏に師事。1992年同音楽院大学院を修了。1984年ヴィオッティ、1986年パガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。その後、ニューヨークを本拠地として世界各地でオーケストラとの共演、リサイタル、音楽祭への参加と国際舞台での活躍がめざましい。フランスのフィガロ紙は、「彼女は全曲を通じ、文句の付けようのないほど見事であり、その光あふれる音色と、一種言葉に出来ないような魅力が曲全体を通じ、疑いを差し挟む余地のない優美さに光輝いていた」、ワシントン・ポスト紙は「身についた優美」と見出しをかかげた記事で絶賛し、シラキュース(アメリカ)のヘラルド・ジャーナル紙は、“マリア・カラスがもしもヴァイオリニストであったなら、彼女のように奏くだろう”と書いた。これまでに国内の主要オーケストラはもとより、ロサンジェルス・フィル、セントルイス響、ナショナル響、(ワシントン)、ボストン・ポップス、ドレスデン・シュターツ・カペレ、ベルリン・ドイツ響、ハンブルク・フィル、フィルハーモニア管、フランス国立放送フィル、イェーテボリ響、オスロ・フィル、バンクーバー響、シラキュース響などと次々に共演、いずれも高い評価を得ている。また、共演した指揮者では、G.シノーポリ、V.アシュケナージ、L.スラトキン、A.デイヴィス、F.ルイジ、秋山和慶などが挙げられる。 このようにコンチェリストとして活躍していた渡辺玲子だが、1994年にはカザルスホールで自らプロデュースして<渡辺玲子ニューヨーク・コレクション>と題する5回の演奏会を催し、その意欲的プログラムと演奏が絶賛を博し、あらたな進境を披露した。 近年は、1995年にフランス国立放送フィルとパリ・デビューを果たし、その成功を受けて同楽団の日本ツアーに、またロサンジェルス・フィル、ハンブルグ・フィルなどと共演した。そのうち、ドレスデンにおいてシノーポリ指揮ドレスデン・シュターツ・カペレと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲は演奏会と同時にテルデック・レーベルによってCD録音も行われ、渡辺玲子のデビューCDとして1997年春にリリースされた。さらに、1996年には、日本フィルとのヨーロッパ・ツアーで成功を収め、1997年には、BBC交響楽団とのロンドンでの共演と日本ツアーで大好評を博した。また、1998年春にはウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団、秋にはロシア・ナショナル管弦楽団の日本ツアーでも共演した。1999年3月には、ニューヨークのリンカーンセンターにおいてニューヨーク・リサイタル・デビューを果たし、ニューヨーク・タイムズ紙はその演奏を「圧倒的なテクニック、華麗な音色、劇的な音楽表現」と評し、見出しに「ヴィルトゥオーゾの圧倒的迫力に脱帽」と掲げて絶賛した。2000年9月には、ミッコ・フランク指揮バンベルク交響楽団日本ツアーのソリストに抜擢され、日本ツアーに先立つドイツ、オーストリア・ツアーでは地元紙が「エネルギッシュな和音とヴィルトゥオーゾ的なパッセージは聴衆を魅了した」と評した。2001年にはJ.S.バッハのヴァイオリンのための無伴奏曲全曲演奏に取り組み、CDも発売された。2003年6月にはサンクトペテルブルク交響楽団との日本ツアーを行い、その演奏会がライブ・レコーディングされ、CD発売されている。2004年10月〜12月にかけては、浜離宮朝日ホール(東京)にて音楽の真髄に迫る「ブラームスとその系譜」と題したリサイタルシリーズを行い、演奏とともにその時代を見通したユニークなプログラムでも注目を集めた。2005年、東京で行われたラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン音楽祭に参加して絶賛を博したほか、2007年は1月に中国・武漢交響楽団に招かれ、5月には同音楽祭でビルバオ交響楽団との共演で好評を博すなど、国内外での活躍の場を益々広げている。 2008年6月にリリースされた待望の新譜「カルメン・ファンタジー」は、「力強く多様かつ明快な表現力」と、その歌心溢れる表現力で絶賛を浴びている。 2004年からは演奏活動の傍ら教育にも携わり、国際教養大学特任教授として、音楽家を目指していない学生にも音楽の深さを知ってもらおうと、春学期に集中講義(「音楽と演奏」)を行っている。この活動を通して、楽曲に対するこれまでにない角度からのアプローチや解釈が広がり、その比類のないテクニックを存分に生かした名演で新たな境地へと進んでいる。 2005年第35回エクソンモービル音楽賞奨励賞受賞。ニューヨーク在住。

ヴァイオリン:渡辺玲子 Reiko Watanabe

ヴィオラ:安藤裕子 Yuko Ando 東京藝術大学修士課程修了。第52回ジュネーブ国際コンクールヴィオラ部門セミファイナリスト。1994年安宅賞、1997年大垣音楽祭最優秀新人賞受賞。 これまでに新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と共演したほか、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、宮崎国際音楽祭等、各地の音楽祭に参加。NHK-FM放送への出演など活発な演奏活動を続けている。元東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団首席奏者。紀尾井シンフォニエッタ東京、ジャパン・チェンバー・オーケストラのメンバー。現在、東京藝術大学非常勤講師。ヴィオラを菅沼準二、セルジュ・コロの各氏に師事。

ヴィオラ:安藤裕子 Yuko Ando

チェロ:横坂 源 Gen Yokosaka 1986年、新潟市生まれ。4歳半よりチェロを始める。1995年4月、第2回バッハホール音楽コンクールにおいて「バッハホール奨励賞」ならびに「未来賞」受賞。 1997年8月、第8回札幌ジュニア・チェロコンクール第1部門(分数楽器)において優秀賞ならびに「山藤賞」(審査員特別賞)を受賞。1998年7月、第1回いしかわミュージックアカデミーに最年少で参加。毛利伯郎、デヴィド・ゲリンガスの公開レッスンを受け、原田幸一郎指揮アカデミー・オーケストラに出演。同年12月、第8回日本クラシック音楽コンクール全国大会弦楽器部門小学生の部で最高位(1位なしの2位)を受賞。 2000年1月、第5回KOBE国際学生音楽コンクール弦楽器部門で最優秀賞並びに「兵庫県教育委員会賞」受賞。第3回いしかわミュージックアカデミー・チェロ部門大賞受賞。 2002年2月にはカザルスホール「プロジェクトQ」(ベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会シリーズ)に最年少チェリストとして出演。7月、チェリストの登竜門として知られる全日本ビバホール・チェロコンクールの第5回大会において、初の最年少第1位(15歳)を受賞。同年9月桐朋学園音楽部門創立50周年記念演奏会において、小澤征爾指揮ハイドンのチェロ協奏曲ハ長調を共演。2003年10月大友直人指揮東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」にてハイドンのチェロ協奏曲ハ長調を演奏。2004年2月、高関健指揮新日本フィルハーモニー交響楽団、3月には大阪フィルハーモニー交響楽団とチャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」、7月には小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団とエルガーのチェロ協奏曲、8月には梅田俊明指揮読売日本交響楽団とドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏。12月、秋山和慶指揮東京交響楽団と新潟ジルヴェスター・コンサートに出演。2008年3月、都民フェスティバルで、小林研一郎指揮日本フィルハーモニーとハイドンのニ長調の協奏曲、7月、大友直人指揮大阪シンフォニカー交響楽団とショスタコーヴィチのチェロ協奏曲、同月、山下一史指揮仙台フィルハーモニー管弦楽団とハイドンのニ長調の協奏曲を演奏。8月には、軽井沢八月祭に出演。 サントリー株式会社所有の1710年PIETRO GIACOMO ROGERI制作のチェロを貸与されている。2005年第15回出光音楽賞受賞。第3回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。 チェロを鷲尾勝郎氏、毛利伯郎氏、ジャン・ギアン・ケラス氏に師事。現在、シュトゥットガルト国立音楽大学に在学中。

チェロ:横坂 源 Gen Yokosaka

主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:東京国立博物館

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