PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

ミュージアム・コンサートN響メンバーによる弦楽四重奏
~オール・ベートーヴェン・プログラム

毎回人気のN響メンバーによる室内楽。2009年から始まったベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏も
今回で完結。集大成となる本公演をお聴き逃しなく。

プログラム詳細

2015:03:18:19:00:00

■日時・会場
2015.3.18 [水] 19:00開演(18:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
第1ヴァイオリン:山口裕之
第2ヴァイオリン:宇根京子
ヴィオラ:飛澤浩人
チェロ:藤村俊介

■曲目
ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 op.18-4 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 op.18-3 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第7番 へ長調 op.59-1
     《ラズモフスキー四重奏曲 第1番》speaker.gif[試聴]

[アンコール]
ヴォルフ:イタリア風セレナーデ

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


 

出演者

ヴァイオリン:山口裕之 Violin:Hiroyuki Yamaguchi 鷲見三郎に師事。桐朋学園大学卒業。桐朋女子高等学校(共学)在学中の1969年に全日本学生音楽コンクール高等学校の部全国第1位。75年、第44回日本音楽コンクール第2位。77年、民音コンクール室内楽部門第2位(1位なし)。1975年6月、在学中に東京フィルハーモニー交響楽団に入団、翌年卒業と同時にコンサートマスターに就任し、79年まで在籍。▼続きを見る5月NHK交響楽団入団、第2ヴァイオリン首席奏者を務め、84年6月コンサートマスターに就任。ゼフィルス弦楽四重奏団を結成、カザルスホールのレジデント・クァルテットとして活躍した。2013年11月NHK交響楽団を退団。現在、積極的に後進の指導にあたる。▲プロフィールを閉じる

ヴァイオリン:山口裕之 Violin:Hiroyuki Yamaguchi

ヴァイオリン:宇根京子 Violin:Kyoko Une 桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業。同大学研究科を修了後、スイス政府給費留学生として2002年、国立チューリヒ・ヴィンタートゥーア音楽大学ソリストディプロマコースに入学。2004年、最高位でディプロマを取得し卒業。サイトウ・キネン・フェスティバル松本等の音楽祭や、小澤征爾音楽塾、トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ等に参加。▼続きを見る年、神戸国際学生音楽コンクール県知事賞、東京室内楽コンクール第1位。2002年、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール第6位。2005年、東京文化会館にて日本演奏連盟主催によるリサイタルを開く。2006年4月、NHK交響楽団入団。中村静香、小林健次、ジョルジュ・パウクの各氏に師事。▲プロフィールを閉じる

ヴァイオリン:宇根京子 Violin:Kyoko Une

ヴィオラ:飛澤浩人 Viola:Hiroto Tobisawa 桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て同大学音楽学部卒業。卒業後、ヴィオラ奏者の店村眞積の薦めによりヴィオラに転向。1990年、第101回神奈川県立音楽堂推薦演奏会で第3回新人賞受賞。同年よりサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして公演に参加。92年、フランスの第4回モーリス・ヴュー国際ヴィオラコンクール第2位(1位なし)。▼続きを見る95年、文化庁在外芸術家研修員としてパリに留学。97年、パリ・エコール・ノルマル音楽院でコンサート・ディプロムを満場一致で取得。フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ ロワール管弦楽団にヴィオラ第2ソリストとして入団。帰国後、2006年にNHK交響楽団入団。現在、同団フォアシュピーラー。これまでにヴィオラを店村眞積、ジェラール・コセの両氏に師事。▲プロフィールを閉じる

ヴィオラ:飛澤浩人 Viola:Hiroto Tobisawa

チェロ:藤村俊介 Cello:Shunsuke Fujimura 1963年、東京生まれ。1986年、桐朋学園大学卒業。この間、チェロを安田謙一郎に師事。日本演奏連盟賞受賞。第21回東京国際室内楽コンクール入選。第58回日本音楽コンクールチェロ部門第2位。桐朋学園オーケストラ、九州交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団等と共演。1989年、NHK交響楽団入団。1990年、東京文化会館で初リサイタルを開く。▼続きを見る1993年、アフィニス文化財団の研修員としてドイツに留学し、メロス・カルテットのペーター・ブックに師事。現在、NHK交響楽団フォアシュピーラー、フェリス女学院大学講師。ソロや室内楽でも活躍中。チェロ四重奏「ラ・クァルティーナ」メンバー。▲プロフィールを閉じる

チェロ:藤村俊介 Cello:Shunsuke Fujimura

■曲目解説

ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲 第4番
 ベートーヴェンの16の弦楽四重奏曲ならびに《大フーガ》は、室内楽史上に燦然と輝く金字塔である。30歳前後から死の前年に至るまでに書かれたこれらの作品は、作曲家の全創作を支える最も重要な柱のひとつとなっている。
 《弦楽四重奏曲 第4番》は1800年頃、6曲から成る作品18のなかの一曲として書かれた。長調の明るい曲が多い同曲集にあって、この曲だけがハ短調で書かれており、中期以降の作品群を予感させる。第1楽章は情熱的かつ哀感に満ちた第1主題から開始される。第2楽章のアンダンテはスケルツォの雰囲気を持ち、対位法的手法で書かれている。第3楽章はやや速いテンポのメヌエットで、主題の転調が印象的。第4楽章のロンドでは、活発な第1主題に柔和な第2主題が対置され、中間部およびコーダでモーツァルトが《交響曲第41番》で用いた「ジュピター音型」が聴かれる。

弦楽四重奏曲 第3番
 この《弦楽四重奏曲 第3番》は、ベートーヴェンが完成させた最初の弦楽四重奏曲であるが、作品18が出版された際、他の曲との兼ね合いで第3番として発表された。明るく幸福感に満ちた曲想は、ウィーンで音楽家として新たなスタートを切った若きベートーヴェンの姿を彷彿とさせる。第1楽章の第1主題は7度上行で始まるという独創的なもので、第2主題はなめらかな転調から成る。第2楽章のアンダンテは静かな情熱に満ち、第3楽章のスケルツォは快活な魅力を持つ。第4楽章はタランテラ風のリズムで、エネルギッシュな音楽が繰り広げられる。

弦楽四重奏曲 第7番《ラズモフスキー四重奏曲 第1番》
 作品18で6曲の弦楽四重奏曲を完成させた後、ベートーヴェンは5年という長きにわたりこのジャンルから離れる。この間に「ハイリゲンシュタットの遺書」などの危機を乗りこえ、いわゆる「中期“傑作の森”」に足を踏み入れる。《交響曲第3番》《ワルトシュタイン》《熱情》といった作品が生み出されるなか、1806年にロシアのウィーン大使アンドレイ・ラズモフスキー伯爵から依頼を受け、作られたのがいわゆる《ラズモフスキー四重奏曲》(全3曲)である。これらは複雑かつ緻密な構成、極限まで高められた楽器の表現により作品18とは一線を画している。なかでもこの《第1番》はもっとも規模が大きく、全楽章がソナタ形式で書かれている。チェロの雄大かつ流麗な旋律で始まる第1楽章は400小節に及ぶ。第2楽章では同音連打がモチーフとなっており、その響きは非常に斬新である。第3楽章のアダージョは悲哀に満ちており、そこから切れ目なく続く第4楽章は、ロシア民謡を主題とした明朗かつ生命感あふれるフィナーレとなっている。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館
※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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