PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2015-

昼下がりのアルゼンチン・タンゴ
~哀愁漂うタンゴの名曲を集めて

アルゼンチン・タンゴの様々な魅力を紹介する毎年人気のシリーズ。今回は若手の代表格としてその活躍が大いに期待されているチコス・デ・パンパが登場。躍るリズムと哀愁のメロディーが舞う昼下がり。

プログラム詳細

2015:03:21:15:00:00

■日時・会場
2015.3.21 [土・祝] 15:00開演(14:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
アルゼンチン・タンゴ・バンド:チコス・デ・パンパ
 ピアノ:宮沢由美
 バンドネオン:北村 聡
 ヴァイオリン:永野亜希
 コントラバス:佐藤洋嗣
 バンドネオン:鈴木崇朗
 ヴァイオリン:吉田篤貴
ダンサー:マルティン&ユカ

■曲目
ホベス:ロカ
サボリード:フェリシア
メロ:心の底から
ダリエンソ:拍車
バルディ:盲目の雄鶏 *
デ・グージョ:涙と笑い
ビジョルド:エル・チョクロ
ベビラクア:独立
パドゥーラ:7月9日
カナロ:レリキアス・ポルテーニャス *
アイエタ:蝶々
スカルピーノ:パリのカナロ
カスティージョ:黄昏のオルガニート
アローラス:デレーチョ・ビエホ
フェルナンデス:愛の痛み
ラタサ:ビクトリア・ホテル
アレシオ:ビエン・ポルテーニャ
フィリベルト:バンドネオンの嘆き *
カバジェーロ:これが王様だ
ラサリ:マス・グランデ・ケ・ヌンカ
カステジャーノス:メタ・フィエロ
バルディ:突風
デ・カロ:エル・アランケ
マトス・ロドリゲス:ラ・クンパルシータ *
*踊り
 

出演者

ピアノ:宮沢 由美 Piano:Yumi Miyazawa 神奈川県横浜市出身。
国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ卒業。
ピアノを松原緑、鵜飼英子氏に師事。
1998年、日亜修好100年祭に出演。
▼続きを見る 2000年、沖縄サミット支援イベント「WORLD MUSIC FESTA 2000」に出演。
1999年より「オルケスタティピカ・パンパ」のメンバーとなる。
「チコス・デ・パンパ」のバンドリーダー。

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ピアノ:宮沢 由美 Piano:Yumi Miyazawa

バンドネオン:北村 聡 Bandoneon:Satoshi Kitamura 関西大学文学部中退。大学在学中にバンドネオンに出会い、小松亮太に師事。
アルゼンチンに短期留学しフリオ・パネ、オラシオ・ロモのレッスンを受ける。
またオルケスタ・エスクエラ・デル・タンゴに参加し学び、大型タンゲリーア「エスキーナ・デ・カルロス・ガルデル」や「チェ・タンゴ」に出演。
▼続きを見る 2003年 バンドネオンの最高峰、レオポルド・フェデリコの日本ツアーに参加。
2007年 チリのバルパライソで行われた世界タンゴサミットに、またミゲル・バルベーロ・セステートのメンバーとしてモントリオールタンゴフェスティバルに出演。
2008年より「オルケスタティピカ・パンパ」のメンバーとなる。

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バンドネオン:北村 聡 Bandoneon:Satoshi Kitamura

ヴァイオリン:永野亜希 Violin: Aki Nagano 高知県高知市出身。
1993年渡米、ボストンのニューイングランド音楽院に入学し、ディプロマコースの修了に伴い1998年に帰国。
1994、95年、レナード・バーンスタイン提唱PMF(パシフィク・ミュージック・フェスティバル)▼続きを見るに参加。
1996年、ドイツで開催されたシェレスヴィヒ・ホルシュタイン・ミュージック・フェスティバルに奨学金を得て参加。
2001年より「オルケスタティピカ・パンパ」のメンバーとなる。

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ヴァイオリン:永野亜希 Violin: Aki Nagano

コントラバス:佐藤 洋嗣 Contrabass:Yoji Satoh 東京都三鷹市出身。
東京音楽大学器楽科卒業。
コントラバスを今野京、吉田秀氏に師事。
2000年、「コンポージアム2000」にエレクトリックベースで出演。
▼続きを見る 2005年、PMF(パシフィク・ミュージック・フェスティバル)に参加。
2007年6月、メキシコのミチョアカン州立現代音楽祭に出演。
2005年より「オルケスタティピカ・パンパ」のメンバーとなる。

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コントラバス:佐藤 洋嗣 Contrabass:Yoji Satoh

バンドネオン:鈴木崇朗 札幌生まれ。2001年よりバンドネオンを小松亮太氏に師事。
2005年には小松亮太&オルケスタティピカのメンバーとして南米ツアーに参加し、ペルー、パラグアイ、アルゼンチン、ブラジルで公演。
同年、単身アルゼンチンに留学し、バンドネオンをオスバルド・ モンテス氏に師事。
▼続きを見る また同年小松真知子&タンゴクリスタルのメンバーとしてアルゼンチンサンルイス州で行われた国際タンゴフェスティバルに参加。
2007、2008年にはアルゼンチンに留学し、バンドネオンをフリオ・パネ氏、ネストル・マルコーニ氏に師事。
2009年には2×4Tokioのメ ンバーとしてアルゼンチンバリローチェで行われた世界タンゴサミットに参加。
また、Bar Sur、Biblioteca Nacionalでのリサイタルに参加。
2010年にはオルケスタ・アウロラのメンバーとしてアルゼンチンブエノスアイレスでのレコーディング、ブエノスアイレスタンゴフェスティバルでの演奏、ウルグアイモンテビデオでの演奏に参加。
現在小松亮太&オルケスタティピカ、小松真知子&タンゴクリスタル、西塔祐三&オルケスタ・ティピカ・パンパ、オルケスタ・アウロラ等で活動中。

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バンドネオン:鈴木崇朗

ヴァイオリン:吉田篤貴 岐阜県大垣市出身。県立大垣北高校を経て、東京音楽大学ヴァイオリン科を首席で卒業。
2004年、名古屋フィルハーモニー交響楽団と共演。
在学中からヴァイオリンとヴィオラの両方を操り、スタジオワークとライブ活動を開始。これまでに劇団四季「ウェストサイド物語」、河村隆一氏全国ツアー、TV朝日「題名の無い音楽会」等に出演。
▼続きを見る その豊かな音色と鋭いリズム感を生かし、ジャズ、クラシック、タンゴ、ジプシー、ポップスなどの多方面で活躍中。
コントラバスとのデュオ"GALI×BULI"を主宰、またタップダンサーとのユニット「2V -double ve-」等様々なバンドに参加している。

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ヴァイオリン:吉田篤貴

■曲目解説

飯塚久夫 (日本タンゴ・アカデミー&日本アルゼンチンタンゴ連盟会長)

ホベス:ロカ

1922 年頃、スペイン出身の作者がクプレ(スペイン歌謡)の女性歌手のために作った。歓楽の人生に疲れた女性 の胸に秘めた悩みを歌う。50 年代にダリエンソ楽団がリバイバル。

サボリード:フェリシア

1907 年、ダンス教師でピアノ奏者の作者がダンス・サロンで初演。その客の中に名高いサイネーテ(大衆演劇)作 家がいて、その奥方の名前をとって題名は後から付けた。

メロ:心の底から

「3 拍子のタンゴ」と言われるワルツ(“バルス・クリオージョ”)を代表する曲。1917 年に 14 歳の女性メロが作った。

デ・グディーニ:拍車

2 拍子の“ミロンガ”で、初期のタンゴも 2 拍子だった。この曲はかつてダリエンソ楽団の名レパートリーだった。

バルディ:盲目の雄鶏

名曲「カフェ・ドミンゲス」で謳われたバンドネオン奏者デ・レオーネが 1917 年にそのカフェで初演。題はスイカ割 りのような子供の遊び。半音ずつ上る低音に乗って同じリズム型が繰り返されるところが、目隠しのワクワク感か?

デ・グージョ:涙と笑い

タイトル通り「涙」と「笑」の対比が描かれ、“バルス・クリオージョ”特有の甘く美しく哀しいメロディに貫かれている。

ビジョルド:エル・チョクロ

初演は 1903 年、05 年に楽譜が出版された初期のタンゴ。53 年には北米でジョージア・ギブスが「火の接吻」とい うタイトルで歌って大ヒットし、日本でも有名になった。

ベビラクア:独立

1910 年 7 月 9 日、独立 100 周年記念の日に作者の吹奏楽団が初演。独立宣言が発せられた 7 月 9 日(1816年)と、スペイン副王を廃し自治委員会が設置された 5 月 25 日(1810 年)と、二つの独立記念日がある。

パドゥーラ:7 月 9 日

作者はピアノ奏者。ブエノスアイレスの北西約 300km にあるロサリオ市で 1908 年に初演。独立宣言が発せられた 場所は、アルゼンチン北部のトゥクマン市であった。

デ・レオーネ:レリキアス・ポルテーニャス

この曲も“ミロンガ”。題は直訳すれば「ブエノスアイレスっ子の遺産」だが、タンゴの代名詞であろう。

アイエタ:蝶々

作者はバンドネオン奏者。題は“夜の蝶”のこと。「絹の誘惑でおまえは身を誤り、私は夢のせいで世間に偽られ た。二人とも昔の自分たちに戻ろうよ」と歌う。

スカルピーノ:パリのカナロ

フランシスコ・カナロのパリ公演大成功は 1925 年。題はそれを報じた新聞のタイトル。半音階の派手な前奏を有 する三部構成の曲であるが、第三部のバンドネオン変奏が魅力。

カスティージョ:黄昏のオルガニート

オルガニートは手回しオルガン。それを弾きながら街を流して歩く老人と助手の若者が、昔の恋仇と恋人(老人の 娘)を探してさまよっている様を描く。

アローラス:デレーチョ・ビエホ

“バンドネオンの虎”と言われたアローラス。1922 年、30 歳でパリに渡るが 24 年に客死。この曲は 16 年の医学生 インターンのパーティで作者の楽団が初演。題は直訳すれば「古い法律」だが、“一本気な男”といった意味。

フェルナンデス:愛の痛み

作者はバンドネオン奏者。ロムートやバルダーロといった有名楽団に参加。父の友人であったアイエタにバンドネ オンを習った。1936 年の作品。

ラタサ:ビクトリア・ホテル

1906 年、アルゼンチン北部のコルドバ市で、作者の指揮する楽団が初演したホテル名。第一部は古いミロンガの 前奏、その後はフォルクローレの雰囲気。35 年、ダリエンソがリバイバル。

アレシオ:ビエン・ポルテーニャ

軽快な“ミロンガ”。作者は 1950 年からダリエンソ楽団のトップ・バンドネオン。“ミロンガ”という言葉は、この曲のよ うなリズムを言う場合と、タンゴの踊り場を指す場合がある。

フィリベルト:バンドネオンの嘆き

1918 年、アウグスト・ベルトというバンドネオン奏者が初演。フィリベルトは有名な「カミニート(小径)」の作者。序奏 のような第一部、強いリズムの第二部、哀しげな第三部という典型的な三部構成。

カバジェーロ:これが王様だ

“リズムの王様”(El rey del compas)というのはダリエンソの愛称。1970 年代にカルロス・ラサリ率いるダリエンソ楽 団でヒット。

ラサリ:マス・グランデ・ケ・ヌンカ (何よりも偉大な)

作者は 1950 年からダリエンソ楽団でバンドネオンや編曲者として活躍。マエストロ亡き 76 年以後も後継者として 楽団を継承した。この曲もダリエンソ讃歌。

カステジャーノス:メタ・フィエロ

快調な“ミロンガ”。作者はピアノ奏者で、1938 年に発表。題は自動車レースの俗語で「ガンガン飛ばせ」という意 味。ラリーのチャンピオンレーサーに捧げられた。

バルディ:突風

作者はピアノ奏者で大作曲家。1910 年代に発表された曲で、突風の吹くような対旋律の付いたテーマから始まり、 三部構成でリズムの変化にも富む。

デ・カロ:エル・アランケ

作者はバイオリン奏者で音楽理論に長け、1920 年代に和声と対位法を重視してタンゴを革新的に発展させた。 題は「始動」という意味で、作者の楽団が 34 年に初録音。61 年にはピアソラも録音した。

マトス・ロドリゲス:ラ・クンパルシータ

最も有名なタンゴ。邦楽からクラシックまであらゆるジャンルで演奏されている。リズムとメロディが一体となって進 行する魅力とともに、三部構成で編曲の多様性に富んでいるのがその所以であろうか。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:アルゼンチン共和国大使館
協力:株式会社ラティーナ

※掲載の曲目は当日の演奏順とは異なる可能性がございます。
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる可能性がございますが、出演者・曲目変更による払い戻しは致しませんので、あらかじめご了承願います。
※チケット金額はすべて消費税込みの価格を表示しています。
※ネットオークションなどによるチケットの転売はお断りいたします。

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