東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-
ミュージアム・コンサート小森邦彦(マリンバ)~現代美術と音楽が出会うとき
プログラム詳細
2014:03:15:19:00:00
2014.3.15 [土] 19:00開演(18:30開場)
上野の森美術館 展示室
■出演
マリンバ:小森邦彦
■曲目
J.S.バッハ:コラール《おお嘆き、おお心の苦しみ》BWV404

向井耕平:前奏曲とアレグロ
ロジャー・レイノルズ:オータム・アイランド
アントニオ・ラウロ:《ヴェネズエラ風ワルツ》より
「ヤカンブ」


J.アウグスト・マルチェリーノ:ショーロ No.9
細川俊夫:想起
ギャレス・ファー:タンガロア
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
出演者
マリンバ:小森邦彦 Kunihiko Komori 西洋クラシック音楽の伝統においてマリンバを位置づけ、純マリンバ作品にこだわり欧州、北米、アジアで演奏活動を展開。これまでドイツ・ヴィッテン音楽祭、ダルムシュタット音楽祭、ニューヨーク・キメルセンター、リスボン・ベレム芸術文化センター、スペイン・サラマルテュソス、マカオ芸術博物館、武生国際音楽祭等に招聘され、独奏、室内楽、及び協奏曲の初演を行い、
J.S.バッハ:コラール《おお嘆き、おお心の苦しみ》BWV404
J.S.バッハの死後、キルンベルガーとC.P.E.バッハによりまとめられた全4巻・総計371曲(実質は348曲)に及ぶコラール集の中の1曲。敬虔なプロテスタントの祈りが込められた素朴な旋律には、時代を超えて直截に人の心を打つものがある。
向井耕平:前奏曲とアレグロ
1999年、小森邦彦の委嘱により作曲された独奏マリンバのための作品。作曲の過程で小森とディスカッションしたアイデアが活かされているという。マリンバという楽器の特性であり制約でもある4本のマレットと単音の減衰の速さ――そこを乗り越えて、マリンバだからこそできる音楽を模索し、4本のマレットによって多声音楽の奥行き、息の長いフレーズといったものを追求した音楽になっている。
ロジャー・レイノルズ:オータム・アイランド 1986年、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の委嘱により作曲された独奏マリンバのための作品。アメリカの現代音楽作曲家ロジャー・レイノルズは、実験的な作品を数多く書いているが、この作品にはテンポも性格も異なる3つの短いモチーフが使用され、その他の素材はコンピュータのアルゴリズムによって断片化・再分配されているという。
アントニオ・ラウロ:「ヤカンブ」「ナタリア」
ベネズエラ出身のアントニオ・ラウロは、南米を代表する作曲家の一人。ラウロの代表曲である4曲からなる《ベネズエラ風ワルツ》は、ベネズエラの民謡をもとに1938~40年に作曲された。その第4曲「ヤカンブ」は、優しく穏やかな南米情緒あふれる曲。第3曲「ナタリア」は、クリオロ・ワルツという名称で巨匠セゴビアが録音したことでも知られる、哀愁を秘めた曲。いずれも小品ながら珠玉の名作である。
J.アウグスト・マルチェリーノ:ショーロ No.9
アルゼンチン出身のギター奏者アウグスト・マルチェリーノが書いたショーロは、マリンバの音色にも非常によく合い、アメリカの作曲家ゴードン・スタウトによってマリンバ用に編曲された。ショーロとはポルトガル語のショラール(泣く)を語源としたブラジルの伝統的なポピュラー音楽で、ジャズのような即興性を備えている。この曲もいかにもブラジルらしい南国的な旋律を奏でる小品である。
ギャレス・ファー:タンガロア
1968年生まれのギャレス・ファーは、ニュージーランド出身の現代音楽作曲家。2001年に書かれたこの作品は、アンディ・ハーンスバーガーにより委嘱・初演された。ファー、ハーンスバーガー、小森邦彦の3人は、イーストマン音大時代の同期だという。「タンガロア」とは全ポリネシアにおける祖神であり、海の神である。その溢れ出る生命力がこの作品にもインスピレーションを与えているのだろう。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:上野の森美術館