東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-
ミュージアム・コンサートアタッカ弦楽四重奏団
プログラム詳細
2014:04:05:14:00:00
2014.4.5 [土] 14:00開演(13:30開場)
国立科学博物館 日本館講堂
■出演
アタッカ弦楽四重奏団
第1ヴァイオリン:エイミー・シュローダー
第2ヴァイオリン:徳永慶子
ヴィオラ:ルーク・フレミング
チェロ:アンドリュー・イー
■曲目
ハイドン:弦楽四重奏曲 第44番 ハ長調 op.50-1

バルトーク:弦楽四重奏曲 第6番

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第13番 ト長調 op.106

[アンコール]
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
ラヴェル:弦楽四重奏曲より 第2楽章
【試聴について】

プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。
出演者
アタッカ弦楽四重奏団 Attacca Quartet
2003年に結成されたアタッカ弦楽四重奏団(Attacca Quartet)は、現在米国でも注目を浴びている屈指の若手弦楽四重奏団のひとつである。古典派から現代音楽まで、分野にとらわれないながらも歴史的奏法および解釈を重んじる演奏を目標とし、常に新しい指針を求めて切磋琢磨している。
2008年夏にニューヨーク現代美術館にて行ったコンサートでは、ニューヨーク・タイムズからも
第1ヴァイオリン:エイミー・シュローダー 設立メンバーの一人。ジュリアード音楽院でサリー・トーマスに学び学士号と修士号を得る。6歳からヴァイオリンを始め、その後バッファロー・フィルなど多くのオーケストラと競演。また多くの音楽祭、セミナーにも参加しており、室内楽奏者としての受賞暦も多い。近年は、マンハッタンでヴァイオリン教室を開き積極的に後進の教育にもあたっている。
第2ヴァイオリン:徳永慶子 2005年から参加。ジュリアード音楽院の学士と修士の学位を持ち、ソリストと室内楽奏者として北米、イタリア、メキシコ、日本で多くの演奏会に出演。2009年には、王子ホールで日本ソロ・デビューを果たす。これまでにアスペン音楽祭を始め多くの音楽祭に参加。現在、講師としてジュリアード音楽院の予備学科で教えている。インフォメーション・ディベロプメントとARUMA.Inc.の後援を得ている。
ヴィオラ:ルーク・フレミング 2009年から参加。最近ニューヨークデビューを果たしてすぐに、彼は卓越したソロと室内楽のヴィオラ奏者としての地位を獲得した。これまでヨーロッパ、アメリカで多くの音楽祭に参加。そのシルキーでニュアンスに富み、確信的で表現力にあふれた演奏が評価されている。ルイジアナ大学とロンドンの王立音楽院の学位、ジュリアード音楽院の修士号を持つ。ニューオーリンズ出身者として同州の演奏と教育にも力を注いでいる。
チェロ:アンドリュー・イー アタッカ・クァルテット設立メンバーで、ジュリアード音楽院で多くの著名なアーティストに師事し学士号と修士号を得ている。内外の有名ホールでのソロを含む演奏多数。ポッパーのハンガリー狂詩曲、ヴィヴァルディの2台のチェロのための協奏曲、ドヴォルザークのチェロ協奏曲などを演奏し、聴衆を魅了するヴィルトオーゾとして評価される。
ハイドン:弦楽四重奏曲 第44番
交響曲、ピアノ・ソナタ、そして弦楽四重奏曲という、ベートーヴェン以降、ドイツ音楽の“三本柱”となるジャンルを確立したのがハイドンだった。この弦楽四重奏曲第44番は、あの輝かしい交響曲第88番《V字》等と同じ時期の作品とされ、音楽家としても最盛期を迎えていたと言える。
本曲は、特徴的な美しさを備えた第1楽章、気品を漂わせる第2楽章アダージョ、軽やかな第3楽章のメヌエット、躍動感あふれる最終楽章という4つの楽章から構成される。
バルトーク:弦楽四重奏曲 第6番
ヨーロッパはファシズムの暗い影に覆われ、バルトークもアメリカへの亡命を余儀なくされた。1939年に作曲されたこの曲が、ヨーロッパで書かれた最後のバルトーク作品である。
第1楽章冒頭、祈りに満ちた主題がヴィオラで奏される。これが全曲を貫いて冒頭にメストとして現れる。その祈りが断ち切られるように、主部に入っていく。第2楽章はメストが2声で絡み合うが、やがて狂ったような行進曲によってかき消される。第3楽章ではメストが3声で奏されるが、今度はそれを嘲笑するように、ブルレッタという諧謔に満ちた音楽が主部で展開される。第4楽章でついにメストは4声となり、序奏としてではなく主部として扱われる。そして最後には、第1楽章冒頭と同じくヴィオラで悲しみに満ちた祈りの主題が繰り返され、静かに曲を閉じる。
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第13番
充実したアメリカ時代だったが、53歳のドヴォルザークは郷愁に駆られて1895年4月、アメリカを後にする。半年間の休養を経たのち、同年11~12月のわずか1ヵ月で書いたのがこの弦楽四重奏曲第13番。実はアメリカ滞在中、すでに第14番(作品105)に着手していたが、先に第13番(作品106)を片づけたため、通し番号と作品番号とが前後している。
第1楽章では、久しぶりに故郷に落ち着いた喜びが溢れ出たような旋律主題を聴くことができる。第2楽章は全曲中の白眉とも言え、ボヘミアの大地を想わせるスケールの大きな緩徐楽章。第3楽章は民俗舞曲風の主部と、流麗な中間部(トリオ)からなるスケルツォ。第4楽章のフィナーレは、アンダンテの導入部分が付いたロンド形式で、最後は第1楽章の主題も回想されて幕引きとなる。
主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館