PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

ミュージアム・コンサートN響メンバーによる弦楽四重奏
~オール・ベートーヴェン・プログラム

プログラム詳細

© ヒダキトモコ
■日時・会場
2014.3.21 [金・祝] 14:00開演(13:30開場)
※ この公演は終了いたしました。
国立科学博物館 日本館講堂

■出演
第1ヴァイオリン:山口裕之
第2ヴァイオリン:宇根京子
ヴィオラ:飛澤浩人
チェロ:藤村俊介

■曲目
ベートーヴェン:
 弦楽四重奏曲 第2番 ト長調 op.18-2 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 op.18-1 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 op.74《ハープ》 speaker.gif[試聴]
[アンコール]
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 より 第5楽章

【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

第1ヴァイオリン:山口裕之 Hiroyuki Yamaguchi 鷲見三郎に師事。桐朋学園大学卒業。桐朋女子高等学校(共学)在学中の1969年に全日本学生音楽コンクール高等学校の部全国第1位。1975年、第44回日本音楽コンクール第2位。1977年、民音コンクール室内楽部門第2位(1位なし)。1975年6月、在学中に東京フィルハーモニー交響楽団に入団、翌年卒業と同時にコンサートマスターに就任し、1979年まで在籍。▼続きを見る 同年5月NHK交響楽団入団、第2ヴァイオリン首席奏者を務め、1984年6月コンサートマスターに就任。ゼフィルス弦楽四重奏団を結成、カザルスホールのレジデント・クァルテットとして活躍した。2013年11月NHK交響楽団を退団。現在、積極的に後進の指導にあたる。 ▲プロフィールを閉じる

第1ヴァイオリン:山口裕之 Hiroyuki Yamaguchi

第2ヴァイオリン:宇根京子 Kyoko Une 桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業。同大学研究科を修了後、スイス政府給費留学生として2002年、国立チューリヒ・ヴィンタートゥーア音楽大学ソリストディプロマコースに入学。2004年、最高位でディプロマを取得し卒業。サイトウ・キネン・フェスティバル松本等の音楽祭や、小澤征爾音楽塾、トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ等に参加。 ▼続きを見る 1998年、神戸国際学生音楽コンクール県知事賞、東京室内楽コンクール第1位。2002年、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール第6位。2005年、東京文化会館にて日本演奏連盟主催によるリサイタルを開く。2006年4月、NHK交響楽団入団。中村静香、小林健次、ジョルジュ・パウクの各氏に師事。 ▲プロフィールを閉じる

第2ヴァイオリン:宇根京子 Kyoko Une

ヴィオラ:飛澤浩人 Hiroto Tobisawa 桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て同大学音楽学部卒業。卒業後、ヴィオラ奏者の店村眞積の薦めによりヴィオラに転向。1990年、第101回神奈川県立音楽堂推薦演奏会で第3回新人賞受賞。同年よりサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして公演に参加。1992年、フランスの第4回モーリス・ヴュー国際ヴィオラコンクール第2位(1位なし)。 ▼続きを見る 1995年、文化庁在外芸術家研修員としてパリに留学。1997年、パリ・エコール・ノルマル音楽院でコンサート・ディプロムを満場一致で取得。フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロワール管弦楽団にヴィオラ第2ソリストとして入団。帰国後、2006年にNHK交響楽団入団。現在、同団フォアシュピーラー。これまでにヴィオラを店村眞積、ジェラール・コセの両氏に師事。 ▲プロフィールを閉じる

ヴィオラ:飛澤浩人 Hiroto Tobisawa

チェロ:藤村俊介 Shunsuke Fujimura 1963年、東京生まれ。1986年、桐朋学園大学卒業。この間、チェロを安田謙一郎に師事。日本演奏連盟賞受賞。第21回東京国際室内楽コンクール入選。第58回日本音楽コンクールチェロ部門第2位。桐朋学園オーケストラ、九州交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団等と共演。1989年、NHK交響楽団入団。1990年、東京文化会館で初リサイタルを開く。▼続きを見る 1993年、アフィニス文化財団の研修員としてドイツに留学し、メロス・カルテットのペーター・ブックに師事。現在、NHK交響楽団フォアシュピーラー、フェリス女学院大学講師。ソロや室内楽でも活躍中。チェロ四重奏「ラ・クァルティーナ」メンバー。 ▲プロフィールを閉じる

チェロ:藤村俊介 Shunsuke Fujimura

■曲目解説

ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲 第2番

 この曲は「挨拶四重奏曲」という愛称を持つ。これは第1楽章冒頭に奏される主題がまるで挨拶を交わすようなフレーズになっているところから来ている。この雰囲気が全曲を通じて、軽やかで優雅な佇まいを生み出している。第2楽章アダージョ・カンタービレは、中間部がテンポの速いアレグロとなっている。第3楽章スケルツォの主題にも「挨拶」が聴き取れる。終楽章では、これまでの明るく晴れやかな気分が頂点に達し、充実した余韻を残す。

弦楽四重奏曲 第1番
 ベートーヴェン初期の弦楽四重奏曲は作品18として6曲まとめて1801年に出版された。それぞれ書かれた年代は分かっていないが、1798~1800年頃の作曲とされている。すでにベートーヴェンはピアノ三重奏曲等、室内楽曲の様々な形態で試行を重ねており、弦楽四重奏曲に着手するにあたっては、最初からそれなりの技術と確信があったと思われる。ソナタ形式の第1楽章冒頭の主題は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の幕開けにふさわしい優美さを備えている。第2楽章では、深い情緒に沈む表現が聴かれる。第3楽章は一転して躍動感溢れるスケルツォ。終楽章アレグロはロンド・ソナタ形式で、スラーにより奏される主題が明るい気分をさらに充足させて心地よいコーダを迎える。

弦楽四重奏曲 第10番《ハープ》
 中期の傑作《ラズモフスキー四重奏曲》から約3年、1809年に書かれた第10番は中期から後期へ向かう過渡期の作品だが、その内容は《ラズモフスキー》の熱を一度リセットしたかのように、簡潔さに立ち戻って新たな気分を得た感がある。第1楽章は序奏のあと、ピッツィカートが所々に響き、これが《ハープ》という表題の由来になっている。第2楽章はヴァイオリンが朗々と歌う優美な主題が印象的。第3楽章プレストは速いテンポで奏されるが、途中で二度現れるトリオが非常にユニークだ。終楽章は主題と6つの変奏からなる。ベートーヴェンが弦楽四重奏曲の終楽章に変奏曲を置いたのは、本曲だけである。


主催:東京・春・音楽祭実行委員会 共催:国立科学博物館

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