PROGRAMプログラム

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2014-

ウィーン室内合奏団
~オール・ベートーヴェン・プログラム

プログラム詳細

2014:04:10:19:00:00

© 堀田力丸
■日時・会場
2014.4.10 [木] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール

■出演
ウィーン室内合奏団
 第1ヴァイオリン:ヴィリー・ビュッヒラー
 第2ヴァイオリン:ギュンター・ザイフェルト
 ヴィオラ:トバイアス・リー
 チェロ:タマーシュ・ヴァルガ
 コントラバス:クリストフ・ヴィンマー
 クラリネット:ゲラルト=アロイス・パッヒンガー
 ファゴット:リヒャルト・ガラー
 ホルン:トーマス・イェブストル

■曲目
ベートーヴェン:
 ヴィオラとチェロのための二重奏曲 変ホ長調 WoO32 speaker.gif[試聴]
 弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 op.95 《セリオーソ》 speaker.gif[試聴]
 七重奏曲 変ホ長調 op.20 speaker.gif[試聴]

※ 当初、出演が予定されていた第1ヴァイオリンのアルベナ・ダナイローヴァは突然のアンサンブル脱退のため、第2ヴァイオリンのアンドレアス・グロスバウアーは本人の都合により来日できなくなりました。 また、メンバーの変更にともない、曲目が変更となりました。
【出演者および曲目変更のお知らせ】



【試聴について】
speaker.gif[試聴]をクリックすると外部のウェブサイト「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」へ移動し、
プログラム楽曲の冒頭部分を試聴いただけます。
ただし試聴音源の演奏は、「東京・春・音楽祭」の出演者および一部楽曲で編成が異なります。


出演者

ウィーン室内合奏団 Wiener Kammerensembele ウィーン室内合奏団は、故ゲアハルト・ヘッツェルがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任した翌年の1970年に、彼をリーダーとし、ウィーン・フィルのトップ・メンバーによって結成された。結成当時は、ヴァイオリン2人、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、フルート各1人を軸としたが、その編成は演奏曲目に応じて、コントラバス、ホルン、ピアノなどを加え、古典派から現代作品に至るまでの幅広いレパートリーをもつ。

第1ヴァイオリン:ヴィリー・ビュッヒラー Willy Büchler ウィーン音楽大学を卒業後、フォアアールベルク州立音楽院の教授に就任。ウィーン放送交響楽団の第1ヴァイオリンの首席奏者を務め、大学でも教鞭をとる。1992年より、EOS四重奏団の第1ヴァイオリンとして、ウィーン・コンツェルトハウスの定期演奏会シリーズで、大きな成功を収めている。1995年、ウィーン交響楽団のコンサートマスターに任命される。さらに、▼続きを見る ウィーン・シュトラウス・フェスティバル・オーケストラでは、ヴァイオリン兼指揮を務めている。日本では特に、この20年間における同オーケストラのニュー・イヤー・コンサート・ツアーでの、ウィーン音楽の目覚ましい演奏で活躍が知られている。

第1ヴァイオリン:ヴィリー・ビュッヒラー Willy Büchler

第2ヴァイオリン:ギュンター・ザイフェルト Günter Seifert オーストリア北部のヴァイヤーで生まれる。1962~69年まで、ザルツブルクのモーツァルテウムで学んだ後、1969~74年まで、ウィーン音楽大学にてフランツ・サモヒル教授に師事する。1972年にはウィーン国立歌劇場管弦楽団員、1974年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者となる。1980年から、ザイフェルト弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者、▼続きを見る 1988~92年まで、アンサンブル・ウィーンに在籍。1993年には、レコーディング賞を受賞し、1996年モーツァルト財団よりモーツァルト解釈賞を受賞する。1995年ウィーン・ヴァイオリン・カルテットを創立、第1奏者となり、1999年には室内合奏団「コルソ」のリーダーを務める。2007年には“Die Wiener”を創立し、リーダーを務める。2011年から、ウィーン国立歌劇場においてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の室内楽ツィクルスの芸術監督。また同年より、オーストリア・ユース・オーケストラの指揮者を務める。

第2ヴァイオリン:ギュンター・ザイフェルト Günter Seifert

ヴィオラ:トバイアス・リー Tobias Lea 1966年オーストラリアのアデレードにベネディクトと双子の兄弟として生まれる。ヴァイオリンを始めのは、ベネディクトと同じ5歳のとき。大学卒業とヘッツェルによってウィーンに移るところまではベネディクトと道を同じくしていたが、ウィーンでヴィオラに転向した。1990年、リッカルド・ムーティの勧めにより、ミラノ・スカラ座管弦楽団のオーディションを受けたトヴァイアスは、▼続きを見る その実力を認められ、以後4年間は同楽団の第1奏者を務めた。この間には、スカラ座四重奏団のメンバーとしても活躍した。1994年9月から、ウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ第1奏者となった。 ▲プロフィールを閉じる

ヴィオラ:トバイアス・リー Tobias Lea

チェロ:タマーシュ・ヴァルガ Tamás Varga 1969年ブタペスト生まれ。5歳から音楽を学び、7歳のときからチェロを始めた。1992年フランツ・リスト音楽院卒業。1994年から98年には、ハンガリー国立歌劇場、1996年から98年にはブタペスト交響楽団のソロ・チェリストを務めた。1998年より、ウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・チェリストとなった。これまでに、ヨーロッパ全土、▼続きを見る カナダ、日本、南アフリカなどで演奏を行っており、ソリストとしては、エルヴィン・ルカーチ、ジュゼッペ・シノーポリなどの指揮者と共演。室内楽では、バルトーク四重奏団、ウィーン・ヴィルトゥオーゼンなどとも共演を重ねている。ウィーン室内合奏団には、2003/04年シーズンよりメンバーとして加わった。 ▲プロフィールを閉じる

チェロ:タマーシュ・ヴァルガ Tamás Varga

コントラバス:クリストフ・ヴィンマー Christoph Wimmer 1983年、オーストリアのシュタイアー生まれ。はじめクラリネットを学んだが、ほどなくコントラバスを始め、1997年からはリンツのブルックナー音楽院で学んだ。在学中から、数多くのマスタークラスに参加。2000年夏の“Prima la musica”での受賞以後、数々のソロ・コンサート、リンツのブルックナー管弦楽団との共演ほか、室内楽でも活発に活動している。▼続きを見る グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラのメンバーとしても活躍。2002年にウィーン交響楽団のメンバーとなり、2003年12月1日からはウィーン国立歌劇場管弦楽団団員、2006年からは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとして首席奏者を務めている。 ▲プロフィールを閉じる

コントラバス:クリストフ・ヴィンマー Christoph Wimmer

クラリネット:ゲラルト=アロイス・パッヒンガー Gerald-Alois Pachinger 1967年、オーストリアのオーバーエスタライヒ州生まれ。父親の手ほどきにより、クラリネットを始めた。 1984年より、ウィーン国立音楽大学でペーター・シュミードルに指示。1987年にはクラウディオ・アッバードが指揮を務めるグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラの創立メンバーとなった。また同年には、ソロ・クラリネット奏者としてウィーン交響楽団に招かれた。▼続きを見る さらに、翌1988年には、 ウィーン楽友協会ホールでソリストとしてデビューを果たしている。ソリストおよび室内楽奏者として数々の活躍を果たしているほか、後進の指導にも積極的に取り組んでいる。 ▲プロフィールを閉じる

クラリネット:ゲラルト=アロイス・パッヒンガー Gerald-Alois Pachinger

ファゴット:リヒャルト・ガラー Richard Galler オーストリアのグラーツ生まれ。1980年より、生地の音楽院でとザルツブルクのモーツァルト音楽院で学んだ。ミュンヘンのウェーバー国際コンクール、マンチェスターのダブルリード・コンクールなど、数々の国際コンクールでの受賞歴をもつ。1987年9月より、ウィーン交響楽団の首席奏者を務めているほか、プラードのパブロ・カザルス音楽祭、▼続きを見る 札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)ほか、著名な室内楽音楽祭に定期的に出演している。2010年より、ウィーン室内合奏団のメンバーとなった。ソリストとして、世界各地で活躍するかたわら、1997年から2004年にはザルツブルク音楽院教授、2004年3月からはウィーン国立音楽大学教授として後進の指導にもあたっている。 ▲プロフィールを閉じる

ファゴット:リヒャルト・ガラー Richard Galler

ホルン:トーマス・イェブストル Thomas Joebstl 1978年オーストリアのウォルフスベルク生まれ。生地の音楽学校でホルンを始めた。1992年より、ウィーンの音楽・絵画芸術大学でローランド・ベルガーに師事。1995年にはウィーン学友協会でソリストとしてデビューを果たす。1997年よりウィーン・フォルクス・オーパーで第1ホルン奏者を務めた後、2001年にウィーン国立歌劇場管弦楽団の第2ホルン奏者となり、▼続きを見る 2004年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとなった。ウィーン・ホルン・アンサンブル、及びウィーン・ヴィルトゥオーゾのメンバーであるなど、室内楽においても広く活躍している。2005年からはウィーン音楽大学の教授も務めている。 ▲プロフィールを閉じる

ホルン:トーマス・イェブストル Thomas Joebstl

■曲目解説

ベートーヴェン:
ヴィオラとチェロのための二重奏曲
 正確な作曲年代は定かでないが、完成は1797年頃とされている。1792年ウィーンに移住して以降、ベートーヴェンには楽器をたしなむ貴族からの注文が相次いだ。この作品もチェロを演奏するズメスカル男爵のために書かれたと言われている。2楽章構成で、第1楽章は伸びやかに歌うアレグロ、第2楽章は素朴なメヌエット。若きベートーヴェンのロマン的楽想に満ちた作品である。

弦楽四重奏曲 第11番《セリオーソ》
 1810年に作曲され、弦楽四重奏曲で言うと、中期の「ラズモフスキー・セット」(第7〜9番)から、第12番以降の後期傑作群(5曲)へと向かう過渡期の作とされている。ただ、本曲のあとベートーヴェンは、実に14年ものあいだ、このジャンルから遠ざかることになる。
 全体の規模はそれほど大きくないものの、ベートーヴェンならではの緊密な充実度を誇っている。第1楽章は、激しい主題で開始され、その雰囲気のなかに切ない悲しみと穏やかに満たされた気持ちが交錯する。第2楽章は、落ち着いた美しさで奏でられるが、そこには果敢なげな不安が隠されているようだ。第3楽章は、第2楽章から続けて演奏される。この楽章に「セリオーソ」(まじめに、厳粛に)という表示があり、この作品の愛称になっている。第4楽章は、ラルゲットの序奏に始まり、主部はアレグレット・アジタートで激しくフィナーレを飾り、全曲を閉じる。

七重奏曲
 ウィーンに出てきた頃のベートーヴェンは、作曲家として成功するためにも、ウィーンの聴衆の耳にかなう音楽を書く必要があった。1800年に完成されたこの七重奏曲は、そうしたウィーン趣味の集大成とも言える名作である。
 木管3(クラリネット、ファゴット、ホルン)と弦4(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)という珍しい編成による、ベートーヴェンにしては軽やかで明るい音楽だが、各楽器の特性を巧みにとらえており、単なる娯楽作品とは一線を画している。初演は1800年4月、ウィーンのブルク劇場で「交響曲第1番」とともに行なわれ、大きな成功を収めた。ちなみに第3楽章テンポ・ディ・メヌエットには、ピアノ・ソナタ第20番の第2楽章「メヌエット」の主題が使われているので、耳馴染みのある方も多いかもしれない。



主催:東京・春・音楽祭実行委員会 後援:オーストリア大使館 協力:日本コロムビア株式会社

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