お知らせ 2011/04/13
『東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-』のフィナーレにあたって
春の到来を前に、千年に一度という規模の地震、津波が三陸地方を襲い、多数の死者、行方不明者、また被災者の方々に大きな不幸をもたらしました。ご冥福を祈るとともに、被災者の方々には、一日も早く日常を取り戻していただくことを願うばかりです。
7年目を迎えた「東京・春・音楽祭」は、このような事態に対して、音楽の力によって、できる限りのことをしようという意志を表明し、演奏家の方々の賛同を得て、当初の開幕より約1週間遅れた3月23日から4月10日まで、予定していた公演の半分にあたる約40の公演を実施しました。
私たちの思いは、人が苦難に陥ったとき、音楽こそが人の心を慰め、希望を与えうるものだということにありました。
何年かの準備期間を経て、実現の運びとなる予定だった《ローエングリン》の公演をはじめ、たくさんのコンサートが中止のやむなきになりましたが、できる限りのコンサートを実施し、最終日となる4月10日の公演には、日本を襲った受難ともいえる被災に心を痛めたズービン・メータさんが、犠牲者への哀悼、被災された方々へ、音楽によって、救い、慰め、希望を共有しようという思いから、急遽、再来日し、チャリティー・コンサートを実現していた頂いたことで、今年の「東京・春・音楽祭」のフィナーレとなりました。
ズービン・メータさんの指揮、4人のソリスト、NHK交響楽団、東京オペラシンガーズによるベートーヴェンの交響曲 第9番の演奏は、聴衆の哀悼の念と演奏者の心が一体となった素晴らしい演奏でした。黙祷の深い静寂、哀悼の思いが、コンサートホールの隅々まで充たすなか、演奏された第9交響曲は、深い悲しみから喜びに至る終曲まで、かつて経験したことのない感動を与えてくれました。
メータさんの言葉のように、「来年の桜を、すこしでも明るい気持で眺められるように」祈願してやみません。
「東京・春・音楽祭」では、音楽の力で、生きる希望と喜びを被災地の方々と思いを一つにしたということで、今後、被災地でのコンサートを実現すべく努力してまいりたいと考えています。
最後に、このような厳しい状況下で、音楽祭の開催に力を貸して下さった多くの演奏家、関係者の方に心より感謝を申し上げます。
実行委員長 鈴木 幸一
チャリティー・コンサートの実施にあたり、多大なご尽力をいただきました皆様にここに改めて感謝を申し上げます。(敬称略)
尾高忠明、読売日本交響楽団、
荒井章乃、直江智沙子、村田恵子、清水詩織、松井利世子、竹内真紀、Vive! サクソフォーン・クヮルテット(豊田晃生、荻島良太、鶴飼奈民、浅利 真)、梅村知世、井上静香、猶井悠樹、森口恭子、高橋洋太、加藤えりな、佐藤勝重、奥村さゆり、アミティエ弦楽四重奏団(会田莉凡、福田悠一郎、横島礼理、村井 智)、小宮正安、新村理々愛、山崎祐介、鈴木大介、松尾俊介、天羽明惠、戸田弥生、東京メトロポリタン・シンフォニー・チェロ・アンサンブル(田中雅弘、古川展生、平田昌平、松岡陽平、江口心一、髙橋純子、長谷部一郎、森山涼介、柳瀬順平)、工藤すみれ、河村尚子、波多野睦美、つのだたかし、古川展生、川本嘉子、野平一郎、OZチェンバー(依田真宣、須山暢大、塩田 脩、猶井悠樹、大島 亮、瀧本麻衣子、奥泉貴圭、山田幹子、髙橋洋太)、工藤重典、林美智子、田崎悦子、広田智之、加藤知子、漆原啓子、川田知子、山崎伸子、ズービン・メータ、並河寿美、藤村実穂子、福井 敬、アッティラ・ユン、NHK交響楽団、東京オペラシンガーズ、
読売日本交響楽団事務局の皆さま、KAJIMOTO、NHK交響楽団事務局の皆さま、サントリーホール、NBS(日本舞台芸術振興会)、東京文化会館